8月に予定されている下半期の韓米合同演習の内容について、韓米が意見の食い違いを見せた。先日の北朝鮮軍のGP(警戒警戒所)銃撃をめぐり軋轢を示したことに続き、再び韓米軍当局間の溝が明らかになったということで注目を集めている。
先月31日の軍消息筋の話を総合すると、韓国軍は、8月下半期の韓米合同演習は当初の計画通り、戦時作戦統制権(戦作権)の移管の検証に充てなければならないと強調する一方、在韓米軍は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により取り消された3月上半期の韓米合同演習の連合対備態勢訓練に振り替えなければならないと主張している。
当初、韓米の国防長官は昨年11月の安保協議会議(SCM)で戦作権移管のための未来連合司令部の「基本運営能力」(IOC)の検証結果を承認し、今年「完全運用能力」(FOC)の検証を推進することで合意している。韓米が計画通りに今年の下半期に完全運用能力の検証を行い、来年「完全任務遂行能力」(FMC)の検証まで行えば、戦作権移管のための軍事的準備は全て完了することになる。韓国軍は韓米間で合意した日程にしたがい、8月の演習は戦作権移管のための完全運用能力の検証訓練にしなければならないという立場だ。
これに対して在韓米軍は、3月初めに予定されていた合同指揮所演習(CPX)がCOVID-19で無期延期されたため、8月の演習はこれを補うための連合対備態勢を点検することに焦点を合わせなければならないと主張している。ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官が「ファイト・トゥナイト」(fight tonight=「今夜すぐにでも戦える」)準備態勢の維持を強調しているということだ。
これに関して軍関係者は「まだCOVID-19などの変化要因が残っており、8月の合同演習がどうなるのか不透明な状況のため、韓米間で関連の議論があまり進んでおらず、韓米軍当局間の立場の違いもそれほど際立ったものではない」と釈明した。
今回の見解の違いは、5月3日に韓米が北朝鮮軍のGP銃撃が偶発的に起こったのかについて衝突したのに続くものだ。当時、韓国軍は北朝鮮軍の動向と気象状況などを根拠に北朝鮮軍の銃撃は偶発的だったと明らかにしたが、米軍が主導する国連軍司令部は後に「故意的であったか偶発的だったかは、確定的に判断できなかった」と発表した。これに対し韓国国防部は直ちに遺憾を表明する立場を発表するなど、軋轢を示した。