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疾病管理本部「レムデシビル、新型コロナ治療薬として緊急使用の承認を協議」

登録:2020-05-26 02:00 修正:2020-05-26 07:25
大規模な臨床試験の結果、有効性が立証され 
治療期間15日→11日へ短縮効果を確認 
「臨床中央委で論議後、食薬処に申請」
ソウル江南区は新型コロナ検体検査の件数が2万件を突破したとし「全国基礎地方自治体の中で最多」と25日発表した。江南区は25日現在、2万94件の検査を実施している//ハンギョレ新聞社

 米製薬会社ギリアドのエボラ治療薬「レムデシビル」が、大規模な臨床試験の結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として一部効能が立証され、防疫当局は25日、緊急使用の承認と需給問題を食品医薬品安全処(食薬処)と協議すると明らかにした。

 中央防疫対策本部(防対本)のチョン・ウンギョン本部長はこの日午後の定例ブリーフィングで「レムデシビルの臨床試験から、治療期間が短縮され、死亡率も一部下げられることが分かった。韓国でも緊急使用を行うか中央臨床委員会に意見を求め、食品医薬品安全処への要請を準備している」と明らかにした。

 米国立衛生研究所(NIH)が韓国を含む10カ国の研究陣と共同でCOVID-19の重症・危篤患者1063人を対象に臨床試験を行い、23日(韓国時間)医学ジャーナル『ニューイングランドジャーナルオブメディシン(NEJM)』に公開した結果によると、レムデシビルを処方された患者(実験群)の平均回復期間(11日)の方が、プラセボ(偽薬)を処方された対照群(15日)より4日(31%)短かった。また14日後の致命率も、対照群は11.9%だったのに対し、実験群は7.1%と小さかった。副作用も実験群(21.1%)の方が対照群(27.0%)より低かった。

 チョン本部長は「臨床に関しても改善し、回復時間も短縮した上、統計的に有意ではなかったものの死亡率も下げることが証明された。二重盲検法で医学対照群もよくデザインされた臨床試験を経て、有効性と安定性が検証されたと考えている」と述べた。

 ただし、臨床試験を行った研究チームは論文で「レムデシビルが偽薬の処方を受けた対照群より治療効果があることが証明された」としつつ、「しかし高い死亡率から考えるとレムデシビルだけによる治療では十分ではなく、他の治療薬や治療法の併用を通じて改善すべき」と述べている。

 米国立衛生研究所は8日、食品医薬局(FDA)からレムデシビルの緊急使用の承認を受け、酸素療法が必要な重症患者に限って処方するようにしている。だが、軽症患者にはレムデシビルを処方しないよう勧告している。

イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/946454.html韓国語原文入力:2020-05-25 22:05
訳D.K

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