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韓国防疫当局「レムデシビル、重症患者のみに効果…タミフルほどではない」

登録:2020-05-06 06:44 修正:2020-05-06 08:09
クォン・ジュヌク防対本副本部長、定例ブリーフィングで 
「新型コロナ患者全員に投与し 
感染力を下げるという意味はないと思われる 
臨床試験結果を見ながら専門家と協議」
クォン・ジュヌク中央防疫対策本部副本部長(国立保健研究院長)が定例ブリーフィングを行っている//ハンギョレ新聞社

 韓国防疫当局は、エボラ出血熱治療薬の「レムデシビル」が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者の病症緩和には効果があっても、全患者に広範囲に投薬できるほど効果的な治療薬ではないという見解を示した。現場での活用の可否とその方法は、国内外で行われている臨床試験の結果を綿密に検討し、決定する方針だ。

 中央防疫対策本部のクォン・ジュヌク副本部長は5日、忠清北道五松(オソン)の疾病管理本部で行われた定例ブリーフィングで、「レムデシビルの有効性を判断するため、臨床試験に参加する中央臨床委員会など専門家らの判断を近く求める予定」だとし、「ただし、防疫当局としては、レムデシビルが重症患者の入院期間の短縮や致命率の低下に寄与するものと期待しているが、新型インフルエンザ流行当時のタミフルのように初期の患者全員に投薬し、感染力を下げる意味までは持っていないと把握している」と述べた。

米国食品医薬品局(FDA)が新型コロナの治療剤として承認したレムデシビルの生産現場=資料写真//ハンギョレ新聞社

 レムデシビルは米製薬会社のギリアド・サイエンスがエボラ出血熱の治療薬として開発した抗ウイルス薬だ。米国で行われた初期の臨床試験でCOVID-19の治療に効果があったという結果が出たことを受け、米国食品医薬品局(FDA)が1日(現地時間)、緊急使用を承認した。COVID-19患者全員ではなく、重症患者に限り使用を認めたのだ。当時、マイク・ペンス米副大統領は「4日から重症患者に薬を支給する」と述べた。

 これを受け、国内でも防疫当局や専門家らが臨床試験の結果や海外の使用承認の推移などに注目している。クォン副本部長は「COVID-19ワクチンと治療薬の早期開発を支援するための汎政府実務推進団も、前日のこうした状況を共有しており、食品医薬品安全処が主管する関連専門家会議も開かれた」と伝えた。これまで国内の専門家らが参加して進められている臨床試験は計3件だ。治療効果が立証され、薬事法の特例輸入条項が適用されれば、国内品目許可や届出がなくても輸入が可能になる。

チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/943728.html韓国語原文入力:2020-05 21:05
訳H.J

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