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金正恩、党中央軍事委を主宰…「核戦争抑止力強化方針を提示」

登録:2020-05-24 21:11 修正:2020-05-25 07:58
労働新聞、5カ月ぶりの軍事委主宰を1面で報道 
22日ぶりの公式公開活動…具体的発言は公開せず 
 
「核抑止力、米国の立場により上方修正されるだろう」という 
年末に開かれた労働党中央委全員会議方針の延長線上 
「自力富強、自力繁栄」は持続を強調 
 
ミサイル開発の核心リ・ビョンチョルを軍事委副委員長に選出 
元砲兵局長のパク・ジョンチョン人民軍総参謀長、大将から次帥に
金正恩・朝鮮労働党委員長兼労働党中央軍事委員長が、労働党中央軍事委7期4次拡大会で発言している/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長兼中央軍事委員長が指導した朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議で「核戦争抑止力を一層強化する新たな方針が提示された」と、労働新聞が24日付1面で報道した。金正恩委員長が「核戦争抑止力強化の新たな方針」と関連して、具体的にどのような発言をしたのかについて労働新聞は伝えなかった。

 これに先立って金委員長は、昨年12月28~31日に行われた労働党7期5次全員会議で「強力な核抑止力の経常的動員態勢を常時信頼できるよう維持する」としながら「我々の抑止力強化の幅と深度は、米国の今後の朝鮮に対する立場により上方修正されるだろう」と明らかにしていた。

 金委員長の公開活動は、順川リン酸肥料工場竣工式出席(1日)報道以来、22日ぶり(報道日基準)だ。金委員長による労働党中央軍事委会議の主宰は、昨年12月22日の中央軍事委7期3次拡大会議報道以来5カ月ぶりだ。

 金委員長が組織し指導した労働党中央軍事委7期4次拡大会議で「国家武力の建設と発展の総体的要求に則り、国家の核戦争抑止力を一層強化し、戦略武力を高度な激動状態で運営するための新たな方針が提示された」と労働新聞は報道した。会議が正確に何日にどこで開かれたのか、労働新聞は明らかにしなかった。

 労働新聞は「自力富強、自力繁栄の自立的発展」は「全党とすべての社会が高く掲げる路線と政策」であると繰り返し強調し、今回の会議が「社会主義経済建設に総力集中」という戦略路線にともなう「自力更正式正面突破戦」の方向変更を伴うものではないと見られる。

 今回の労働党中央軍事委拡大会議では、北朝鮮のミサイル開発分野の核心人物であるリ・ビョンチョル労働党副委員長兼軍需工業部長が、中央軍事委の副委員長に選出された。リ・ビョンチョル副委員長は、2017年7月の米本土を射程内とする北朝鮮初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)と目される「火星-14型」の1・2次試験発射(7月4日と7月28日)の際に、金委員長に随行した。砲兵局長出身のパク・ジョンチョン人民軍総参謀長は、大将から次帥に軍称号が引き上げられた。今回の会議で提示されたという「核戦争抑止力強化の新たな方針」の方向を示唆する人事構図だ。

 金委員長はこの会議で「人民軍に対する党の唯一の指導を徹底的に実現し、党の指導を強化することを強調し、共和国の武装力は軍事政治的活動において恒久的に堅持していく重要問題であり、その課題と方法について具体的に明らかにされた」と労働新聞は伝えた。

金正恩・朝鮮労働党委員長兼労働党中央軍事委員長が、労働党中央軍事委7期4次拡大会議で命令書に署名している/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 金委員長が会議で、新しい軍事的対策に関する命令書▽重要軍事教育機関の責任と役割を高めるための機構改編案に関する命令書▽安全機関の使命と任務にふさわしく軍事指揮体系を改編することについての命令書▽指揮構成員の軍事称号を引き上げることに関した命令書など、7件の命令書に署名したと労働新聞は伝えた。

 一方、4月25日の「朝鮮人民革命軍創建日」を、「国家的名節」であり「国家的休息日」とする最高人民会議常任委員会政令が労働新聞2面に発表された。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/946193.html韓国語原文入力:2020-05-24 11:50
訳J.S

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