本文に移動

[社説]「板門店宣言」2周年、防疫と鉄道で南北協力再開を

登録:2020-04-27 01:32 修正:2020-04-27 07:19
南北首脳会談が開かれた2018年4月27日午前、板門店で文在寅大統領が北朝鮮の金正恩国務委員長の手を握って軍事境界線を越えて北朝鮮側に入り、再び南側に足を踏み入れるところ=キム・ギョンホ記者//ハンギョレ新聞社

 27日で「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言(板門店宣言)」2周年を迎える。2018年4月27日午前9時30分、映画の一場面のように、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は手をつないで軍事境界線の北と南を行き来した。この日、両首脳は板門店宣言で「朝鮮半島にもはや戦争はなくなり、新たな平和の時代が開かれた」と明らかにした。その後、南北高官級会談をはじめ、各分野の対話と交渉が続き、同年9月には文大統領が平壌(ピョンヤン)を訪問した。

 ついに「朝鮮半島の春」が訪れると期待されたが、70年以上固定化されていた冷戦と分断の壁は鉄のように硬かった。昨年2月、ハノイでの朝米首脳会談が成果を出せず、朝米は非核化と相応措置をめぐる意見の相違を埋めることができずにいる。朝米対話が空回りしたことで南北関係も冷めてしまった。南北がいずれも朝米対話の成功を南北関係より優先させたためだ。

 これについて政府は「朝米対話が成功すれば、南北関係の扉はより大きく開くだろう」と説明した。しかし国内外の専門家や市民社会からは「韓国は朝米対話の成功だけを望み、手をこまねいている」と批判され続けている。政府は今年初め、「朝米対話だけを眺めているのではなく、南北関係において可能な協力関係を最大限広げる」(1月14日の文大統領新年記者会見)と態度を変えた。その後、政府は金剛山観光の創意的な解決策として個別観光を提案したが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態が勃発した。

 南北いずれもCOVID-19への対応に全力を傾けるため、南北関係に気を使う暇がなかった。最近では金正恩委員長の「健康異常説」まで出ている。朝米対話も米大統領選挙の日程のため、11月までは加速が難しいのが現実だ。

 朝鮮半島情勢は不確実で慌ただしいが、このような時ほど韓国政府は主体的に南北関係の改善に取り組むべきだ。南北関係が朝米対話の従属変数になってはならない。この点で、政府が板門店宣言2周年を迎える27日に江原道高城郡(コソングン)の猪津(チェジン)駅で開く「東海北部線推進記念式」は意味が大きい。我々でできることから積極的に取り組むという意志を示したのだ。

 北朝鮮の立場から見れば、韓国には不満があるだろう。だとしても、COVID-19防疫、離散家族再会など、人道分野での協力には前向きな態度を示すべきだ。2年前、南北首脳は「南北関係を改善し発展させることは全民族の一貫した願いであり、これ以上先延ばしできない時代の切迫した要求」と8千万民族と全世界に宣言した。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/942085.html韓国語原文入力:2020-04-26 18:50
訳D.K

関連記事