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国情院「金委員長、心臓の手術受けていない…朝中貿易、第1四半期は半分に減少」

登録:2020-05-07 06:55 修正:2020-05-07 09:33
国情院、情報委に非公開懸案報告 
「右手首の傷もステント手術の痕ではない」 
「取引の萎縮、生活必需品の買いだめ…今は落ち着いている」 
「新型コロナのため、金委員長の公開活動回数が過去最低に」 
国会情報委の全体会議が今月6日午前、ソ・フン国情院長の出席するなか、ソウル汝矣島の国会で開かれている//ハンギョレ新聞社

 国家情報院(国情院)が6日、「健康悪化説」がささやかれた金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長に関して、施術を含めて手術を受けていないことを確認した。北朝鮮の経済は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連封鎖政策で、商取引が萎縮するなど、困難を極めているという。

 国情院は同日、国会情報委員会の非公開懸案報告で、金委員長の動向について「心臓関連施術や手術などは受けたことはないと見ている」とし、「金委員長が公開活動をしない中でも、正常な国政活動が行われてきた」と述べたと、共に民主党情報委幹事のキム・ビョンギ議員が伝えた。COVID-19の防疫物価対策を樹立し、軍紀の確立を指示する一方、外国首脳や内部構成員への祝電や感謝も伝えたという。金委員長の右手首の内側に新しくできた黒い痕をめぐり、心血管系関連の施術の痕という一部の報道についても、キム議員は「通常ステント治療を行う場合、その位置からではないと聞いている」と疑問を示した。

 国情院は金委員長の公開活動について、「今年は今月6日現在まで17回の公開活動で、例年同期の平均(50回)より約66%減少した歴代最低のレベル」だと報告した。その理由については「軍の戦力と党政会議を直接開くなど内部戦列の再整備に集中したうえ、COVID-19の状況が重なり、公開活動を大幅に縮小したため」と分析した。

 これまで北朝鮮は、対外的にはCOVID-19の感染者はいないと主張してきた。しかし国情院は、発病の可能性を排除しなかった。国情院は「1月末の国境封鎖前、北朝鮮と中国の間の人的交流が活発だったことから、発病の可能性を排除できない。北朝鮮は感染の診断装備や施設、専門スタッフが不足する中、初期から国境封鎖や海外からの入国者の隔離など、強力な防疫措置を施行してきた」と述べた。

 国境封鎖の長期化で北朝鮮経済が困難にさらされているという内容も報告された。国情院は「今年第1四半期の朝中貿易規模は前年同期に比べて55%減の2億3000万ドルで、3月の1カ月間で(対前年同期比)91%も減少した約1800万ドルを記録した」と説明した。さらに「商取引活動が大きく萎縮し、輸入食料品の急騰による物価不安心理で平壌(ピョンヤン)住民たちが生活必需品の買いだめに走り、デパートに人が殺到して行列ができる現象まで発生した。北朝鮮内閣と保安省を中心に食料品を緊急輸入し、買占め・売り惜しみを取り締まるなど、多様な安定化措置を取ることで、物価の急騰傾向がやや落ち着いている」と付け加えた。

 さらに、北朝鮮は対外決済基準の通貨をドルに還元したと、国情院は報告した。北朝鮮は2000年代初め、米国の制裁強化に備え、対欧州貿易を拡大するため、対外決済基準の通貨をドルからユーロに変更した。

 核ミサイル施設に対する「特異動向」は見られなかったという。国情院は「寧辺(ヨンビョン)の50メガワット原子炉は2018年末以降稼動が止まっており、再処理施設の稼動徴候も把握されていない。豊渓里(プンゲリ)核実験場と東倉里(トンチャンリ)ミサイル発射場も特異な動向はない」としながらも、「咸鏡南道新浦造船所では鯨級潜水艦とミサイル水中射出装備が持続的に現れている。昨年、北朝鮮が公開した新型潜水艦の進水関連の準備動向を注視している」と述べた。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/943798.html韓国語原文入力:2020-05-07 02:31
訳H.J

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