日帝による強制動員の被害者イ・ドンニョンさんが、日本の謝罪を受けられないままこの世を去った。享年90歳。
市民団体「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」は7日、「前日の夜11時50分ごろ、イ・ドンニョンさんが肝臓がん闘病の末に亡くなった」と明らかにした。
故人は、全羅南道羅州(ナジュ)初等学校を卒業後、就職させてやるという日本人校長に騙され、14歳だった1944年5月にヤン・クムドクさんらと共に三菱重工業名古屋航空機製作所に動員された。同年12月7日に愛知県一帯を襲った東南海地震で九死に一生を得たイさんは、あらゆる苦労の末に1945年10月ごろ帰国した。
故人は1999年3月、日本政府と三菱重工業を相手取って名古屋地裁に提訴したが、2008年11月11日、日本の最高裁判所で敗訴した。
イさんは韓国の市民団体の支援により、2012年10月24日に光州(クァンジュ)地裁に三菱重工業を相手取って提訴。故人は顔が知られることを恐れ、いつもマスクをつけていたが、韓国で訴訟を始めてからは、日本政府と三菱の過ちを伝える公の場にマスクを脱いで参加するなど、名誉回復のために積極的に活動した。イさんは2018年11月29日に最高裁で勝訴した。
イさんは普段から「日本政府と三菱から一言の謝罪を聞くのが願い」と話していたが、ついに志を果たすことができずに亡くなった。
遺族には2男4女がいる。葬儀は光州クホジョン葬儀場にて。出棺は8日午前7時30分。