裁判所は、世界最大の児童性搾取サイト「ウェルカム・トゥー・ビデオ」を運営していたS受刑者(24)に対し、犯罪者引き渡し拘束令状を交付した。
ソウル高等裁判所は20日、ソウル高等検察庁が請求していたS受刑者の犯罪者引渡し拘束令状を交付した。法務部は昨年4月、米連邦司法省からS受刑者に対する犯罪者引渡し要請を受け、関連協議を進めてきた。法務部は「米国の引き渡し要請の対象となっている犯罪のうち、『国際マネーロンダリング』部分が国内裁判所の有罪判決と重複しないと判断し、16日にソウル高等検察庁に引き渡し審査請求命令を下した」と明らかにした。
ソウル高検は今月末、S受刑者の引き渡し拘束令状を執行して身柄を確保した後、ソウル高裁に犯罪者引き渡し審査を請求する予定だ。S受刑者の引き渡しの可否はソウル高裁の審査を経た後、法務部長官が最終的に決定することになる。
S受刑者は2015年6月から2018年3月まで、いわゆる「ダークウェブ」で世界最大の児童・青少年性搾取サイト「ウェルカム・トゥー・ビデオ」を運営していた。調査の結果、S受刑者は世界の4000人あまりの有料利用者に性的搾取映像を提供し、37万ドル(約4億ウォン)にのぼる仮想通貨を手にしたことが分かっている。この中には生後6カ月の乳児が登場する映像もあるという。
韓国、米国、英国の政府は2017年からの国際捜査協力により、S受刑者を含め12カ国にいる利用者373人を逮捕した。S受刑者は昨年5月、控訴審で1年6カ月の実刑判決を受け、今月27日に刑期を終えて出所する予定だった。しかし、ソウル高裁が犯罪者引き渡し令状を発行したことで、S受刑者は出所できないまま、直ちに米国へ引き渡される可能性が高くなった。