韓国に帰化しようとする外国人に対し、「愛国歌(韓国の国歌)を歌う」などを帰化審査項目として定めたのは正当だという裁判所の判断が出た。
ソウル行政裁判所行政13部(チャン・ナグォン裁判長)は29日、外国人Aさんが法務部を相手取って国籍申請不許可の取り消しを求めて起こした訴訟で、原告敗訴の判決を下したと明らかにした。
南アジアのある国出身のAさんは2017年12月、法務部に一般帰化許可を申請した。しかしAさんは1、2次面接ともに不合格となり、法務部はこれを理由として帰化不許可の決定を下した。これを不服としたAさんは、法務部が裁量権を逸脱、濫用したとして行政訴訟を起こした。
しかし、裁判所もAさんの帰化を許可すべきではないとした。裁判所は、Aさんが国籍法第5条の一般帰化要件である「韓国語能力や大韓民国の風習に対する理解など、大韓民国国民としての基本的素養」を備えていないと判断した。
裁判所はその根拠として、Aさんが受けた2回の面接で、「大韓民国国民の姿勢」「自由民主主義の基本秩序信念」「国民としての基本素養」「愛国歌歌唱」などの項目について、2人の面接官がすべて不適合評価を下したことを挙げた。裁判所は、こうした個別の審査項目が国籍法上の一般帰化要件を判断する基準として「客観性と合理性を備えている」と判断した。続いて「面接官による適合・不適合判定が1、2次の面接官ですべて一致しており、記述式で作成された総合意見の内容も概ね一致する」とし「面接官たちが客観性や公正性を欠くなど裁量権を逸脱、濫用したと見る事情は見当たらない」とも述べた。