20代の新型コロナウイルス(COVID-19)感染者から、「サイトカインストーム」と関連した重篤患者が発生し、保健当局が該当患者の状態に注目する一方、臨床専門家の意見を聴取して治療指針を用意すると明らかにした。世界保健機関(WHO)も「若いからといって新型コロナウイルスに無敵ではない」と警告を出した。
中央防疫対策本部(防対本)は22日の定例ブリーフィングで、この日までに重症患者28人、重篤患者61人など重症以上の患者が89人に達したと明らかにした。重篤患者の中には20代1人と40代1人が含まれている。前日、重症患者に分類されたまた別の20代の患者1人は、一日で状態が好転した。この日0時基準で、韓国国内のCOVID-19累積感染者8897人のうち、20代の患者は2396人で全体の27%を占めた。
現在、大邱(テグ)慶北大学病院に入院している20代の重篤患者は、酸素呼吸器と人工心肺装置(エクモ)治療を受けている。これに先立つ20日、大邱市感染病管理支援団のキム・シヌ団長は、この患者に対して「サイトカインストームと関連があると判断する」と明らかにした。サイトカインストームとは、ウイルスに対抗しようとして免疫力が過度に高まり、正常細胞まで攻撃して大規模な炎症反応が出てくる現象で、若年層に多く発生する。サイトカインストームは、新型コロナウイルスだけでなく、MERS、SARSなど他のウイルスによっても発生する可能性があるという。
20代の重篤患者が出たことにより、保健当局も対応策の用意に乗り出している。クォン・ジュヌク防対本副本部長はこの日のブリーフィングで「若いからといって安心はできず、さらにたとえ症状が軽くても感染のスプレッダーとしての役割ははるかに大きいかもしれない」と指摘した。防対本は、COVID-19臨床の第一線にいる専門家たちの意見を聴取し、関連する治療指針などを用意する方針だ。
国外でも20代の患者に対する警戒心が高まっている。世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務総長は20日(現地時間)、「高齢者が新型コロナウイルスで最も大きな打撃を受けたが、若年層だからといってウイルスに無敵ではない」として「新型コロナは、若年層を数週間も入院させることもあり、さらには殺すこともある」と警告した。