文在寅(ムン・ジェイン)大統領が18日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済的被害を最小化するためには、「何よりスピードが大事だ」と強調した。景気浮揚のゴールデンタイムを逃さないよう、非常経済会議を通じて速やかに対策を決め、執行する意志を示したのだ。
文大統領は同日、大統領府で主要経済主体招請円卓会議を開き、「(COVID-19に関する)追加対策も遅れることなく適時に打ち出し、迅速に執行する必要がある」と述べたと、カン・ミンソク大統領府報道官が伝えた。カン報道官は「文大統領が最後の発言でスピードという言葉を5回も使うなど、繰り返しスピードを強調した」と述べた。
文大統領は、政府や金融界などに迅速な支援を重ねて求めた。彼は緊急経営安定資金の支給が遅れている問題を指摘し、「書類手続きに2カ月も3カ月もかかれば、何の意味もない」と述べた。政府は先月から緊急経営安定資金を支援しているが、申請件数が10万件を超えている上、3段階の手続きを踏まなければならないため、執行が遅いと批判されてきた。文大統領は「前例のない規模の資金供給であるため、金融界全体が協約を結び、共同で動こう」というイ・ドンゴル産業銀行(KDB)会長の提案に、「良い案」だと同意を示した。
同日の円卓会議では、文在寅政府発足後初めて経営や労働、中小・中堅・ベンチャー企業界、家計と政界、経済省庁など主要経済主体らがあまねく参加し、様々な建議を行った。韓国経営者総協会(経総)のソン・ギョンシク会長は「最近一部の自治体が現金支給を提案しているが、それよりは経済主体の消費を誘発する方が望ましい」とし、「経済活動が安定化するまで国民年金や健康保険をはじめとする社会保険料も一定期間納付を猶予してほしい」と要請した。ソン会長はまた、特別労働時間の拡大や特別延長労働制の補完立法をはじめ、空港使用料の期限付き大幅値下げや果敢な規制解除、通貨スワップの拡大なども代案として示した。キム・ギムン中小企業中央会長も「(大統領が)企業銀行や産業銀行、輸出入銀行の頭取に満期となった中小企業対象の貸出金の期限延長を要請してほしい」と要請した。零細商工人連合のキム・イミョン会長権限代行は、
3カ月間に200万ウォン(約17万円)の緊急救護生計費支援を求めた。キム・テヨン全国銀行連合会会長は「現場の声に注意深く耳を傾け、利子納入の猶予などを推進する」と述べた。同日の会議は予定より50分長い2時間20分間にわたり行われた。
これらの発言を傾聴した文大統領は、出席者に連帯と協力を呼び掛けた。また「世界中がともに経験している問題なので、経済危機が長期化する可能性が高い」としたうえで、「政府の力だけでは不十分だ。連帯と協力の力で危機克服の主役になることを心よりお願いしたい」と述べた。また「各国が防疫のため入国制限措置を取っても、少なくとも企業家たちの国家間移動は認めるよう、外交的努力を傾けている」と説明した。
文大統領は最後に「より大きな決断が必要な場合は、大統領主宰の非常経済会議で決断していく」と約束した。大統領府関係者は「毎週1回開かれる非常経済会議の度に、具体的な対策を打ち出すことになるだろう」と述べた。