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大統領府「特別入国手続施行後に陽性判定者なし…中国人の入国禁止は実益ない」

登録:2020-02-28 09:30 修正:2020-02-28 19:52
「中国に行こうとする韓国人は、韓国に来ようとする中国人の2倍」 
「入国全面封鎖は実益がない」
カン・ミンソク大統領府報道官//ハンギョレ新聞社

 大統領府が27日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と関連し、未来統合党と一部の保守メディアが発した中国人の入国を全面禁止すべきという主張に、「4日に特別入国手続きを施行した後、陽性判定を受けた人は確認されていない」とし、「最近は中国に行こうとする韓国人の方が韓国へ来ようとする中国人より2倍も多く、むしろ韓国国民の被害を誘発しかねない」と反論した。大統領府は「政府は防疫の実効的な側面と国民の利益を冷静に考慮し、中国人の全面入国面禁止よりも特別入国手続きを実施している」とし、「中国の顔色伺いだという一部の主張は遺憾だ」と述べた。

 カン・ミンソク大統領府報道官は同日のブリーフィングで「政府が中国人の入国を全面的に制限しないのは、国民の安全を最優先に考慮した最善の方策を検討した結果だ」とし、最近の保守野党と保守メディアの主張に一つひとつ反ばくした。未来統合党と中央日報、朝鮮日報などの保守メディアは、文在寅(ムン・ジェイン)政府が中国の顔色を伺って中国人の入国を全面禁止しないことでCOVID-19の拡散を食い止める時期を逃したと主張している。

 カン報道官はまず「中国から来る入国者に特別入国手続きを適用し、入国を最小限に抑えている」と明らかにした。そして「政府は2月4日から中国からの入国手続きを強化し、入国者を徹底的に把握して入国を最小化する処置を行なっている」とし、「中国専用入国場を別途設置し、消毒や発熱チェックを行なっている」と説明した。また「入国の際、全ての内国人・外国人は国内の居住地と連絡先を提示しなければならず、現場で連絡できるかどうかを確認した後、『異常がない時だけ』入国を許可している」とし、「特別入国の過程では自らの健康状態を診断できる『自己診断アプリ』を設置し、個人情報を入力しなければ入国ができない」と付け加えた。大統領府は「中国だけでなく香港、マカオから入国する内国人・外国人にも『自己診断アプリ』の設置を義務化した」と説明した。

 中国人入国者が安定的に管理され、4日に特別入国手続きを稼動した後、中国人入国者の中でCOVID-19の陽性判定を受けた人はいないという点も提示した。カン報道官は「きめ細かな防疫網を稼動し始めた2月4日以降、中国から入国して確定判定を受けた人が現在まで確認されていないのに、入国を全面封鎖することは実益がない」と述べた。さらに「27日現在、国内の感染者1595人のうち、中国人の感染者は全部で11人」だとし、「特別入国手続きを設ける前に中国で感染して韓国入りしたと推定される人員は11人のうち4人だが、彼らはすべて1月31日より前の入国者だ。3人は完治状態であり、1人も状態が安定している」と述べた。カン報道官は「特別入国手続きを経て入国した中国人留学生13436人に対して、大学が2週間の集中モニタリングをし実施、政府とともに特別管理を加えたが、今まで感染者は1人も出ていない状態」と付け加えた。

 カン報道官は、最近は韓国に入国する中国人の数よりも中国に入国する韓国国民の数の方が2倍ほど多いという点も挙げた。「湖北省は封鎖状態なので、そこから入国した中国人は0人だ」とし、「法務部の出入国状況室の総合統計を見ると、湖北省以外の地域から入国した中国人は、26日に1404人、1日前の25日には1824人である反面、中国に入国する韓国人の数は2月25日に3337人、2月26日には3697人に増えている」と述べた。カン報道官は「1000人台に下がっている中国人の入国を防ぐために全面入国禁止措置を取るのは、韓国国民の被害を誘発しかねないため、望ましくないというのが政府の立場」だと話した。カン報道官は「封鎖状態である中国湖北省を除いた残りの中国地域の新規感染者は、25日に5人まで減少した」という点も挙げた。

 また「政府の措置は世界保健機関(WHO)の感染病対応ガイドラインに合わせたものでもある」とし、「国際専門家たちも中国人全面入国制限という『封鎖』効果は制限的だと診断しており、感染病は封鎖ではなく国際連帯と協力を通じて克服できるというのが国際的な公論」だと明らかにした。

ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/930201.html韓国語原文入力:2020-02-27 20:28
訳C.M

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