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「外国の博覧会にも行けず、ブローカーも来ない」…輸出中小企業の被害広がる

登録:2020-02-27 06:28 修正:2020-02-27 12:39
化粧品業界は中国製の容器手に入らず 
自動車メーカーは部品が到着せず、在庫ばかり増える 
半導体装備会社、通関遅延に苦しむ 
 
原材料を中国から輸入する部品メーカー 
その多数が大邱・慶尚北道にあり、“二重苦” 
「輸出博覧会の相次ぐキャンセルで販路減少」
グラフィック=キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 「機械を売らなければならないのに、ブローカー(仲介人)が韓国にこないし、我々に会ってもくれません。参加のためお金と機械を全部送ったベトナムの輸出博覧会は韓国人を入国禁止にするそうです。中国現地の工場は順調に稼動していない上、部品も韓国に送れないため、損失額が数億ウォンまで膨らむかもしれません。どうしたらいいのかわかりません」

 26日、ハンギョレとの電話インタビューで、京畿道のある包装機械メーカー代表はこう話した。同社は年間売上高が100億ウォン(約9億円)に満たない中小企業だ。規模が小さく販売ルートが少ないため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による打撃がかなり大きい。このような機械製造の中小企業は、中小企業全体の中国向け輸出品目で占める割合も高い。昨年基準で包装機械と混合用ミキサーをはじめとする「産業用機械」の中国輸出額は9億7千万ドルに達する。中小企業の対中国輸出品目のうち、第4位(MTI6単位基準)である。

2019年中小企業の対中国輸出上位15品目

 ハンギョレが中小ベンチャー企業部に依頼して入手した「昨年の中小企業の対中国輸出上位(金額基準)品目」によると、化粧品や半導体・ディスプレイ関連部品および装備、自動車の付属品、その他の精密化学原料、産業用機械などが1~15位に布陣していた。これらの品目を生産する中小企業の多くは、中国で原材料や副資材を輸入して加工した後、再び中国に輸出する形の事業構造になっているため、新型コロナウイルス感染症で二重苦に直面している。

 輸出品目1位の基礎化粧品とメイクアップ製品(15億2500万ドル・1位)、マスクパックやデオドラント用品(3億4千万ドル・8位)関連企業は部品需給や顧客の確保に困難を強いられていた。韓国化粧品中小企業輸出協会のイ・ドンギ理事は「一年間の集客誘致の通路となる輸出博覧会が次々にキャンセルされている」とし、「中国の消費需要も萎縮し、中小企業の販路も減った」と話した。彼は「多くの韓国企業が中国から化粧品容器を輸入しているため、中国の輸出過程における支障も韓国に影響を及ぼす」とし、「このため韓国の中小化粧品メーカーが一時的にマスクパックや消毒液を売るなど、生産品目を変えることもある」と付け加えた。

 京畿道華城(ファソン)のある化粧品メーカーは「化粧品容器のほとんどを中国から輸入しているため、消毒液のスプレーとポンプ容器がなかなか手に入らない。中国の物流が自国の衛生用品を中心に動いていると、普段より納品速度が1.5倍遅い」と話した。同社は、注文製作生産(OEM)と注文開発生産(ODM)の製品も、納期日をこれまでより半月以上遅らせたという。

 直接輸出ではなく、仲介業者を通じて中国に輸出する業種も打撃を受けかねない。例えば、中国に船舶用ディーゼル軽油(2億6千万ドル・13位)を送るトレーディング会社の中には、小規模中小企業が一部含まれている。精油業界の関係者は「4大製油会社が自社の代理店を通じてトレーディング(顧客に配送)する場合もあるが、小規模トレーディング会社やバイヤーたちがこれを仲介することもある」とし、「今のように中国顧客と接触しにくい時期には、トレーディング会社も仕事を探すのが難しいだろう」と推測した。

 業歴が長く需要と供給網が相対的に安定している自動車部品(3億8千万ドル・7位)業界と半導体・ディスプレイ部品装備(12億1千万ドル・3位)業界にとっては、輸出よりは輸入における支障がより大きく問題になっている。ハンドルやサッシ部品、ギアボックスなどは韓国の自動車部品メーカーの主な輸出品目だ。ある国内完成車メーカーの1次協力会社代表は「中国から必ず輸入しなければならない防塵用部品があり、ひと月分の在庫を抱えている。(完成車)購買チームとコミュニケーションを取りながら在庫管理をしており、うまくいくことを願うだけだ」と打ち明けた。

 ある国内半導体装備メーカーの代表も「購買需要自体は長期的に回復するだろうが、通関が予想より数日遅れ、物流システムもまともに作動しないため、物品の販売速度が昨年より著しく遅い」と話した。中国で主要原材料を持ち込んで加工する半導体素材メーカーのある役員は「3月まで使う在庫は残して、なんとかやっている。(新型コロナ事態が)長期化したら、代わりのサプライチェーンを構築するしかない」と話した。

 これら企業の多くは大邱(テグ)・慶尚北道に集中している。韓国自動車産業協同組合のキム・サン企画調査室長は「韓国自動車部品企業の主要工場拠点は大邱・慶尚北道」だとし、「生産人材の中から感染者が出て工場の稼動が中断されるのではないかと、(部品メーカーが)戦々恐々としている」と述べた。

シン・ダウン、キム・ユンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/929974.html韓国語原文入力:2020-02-27 02:44
訳H.J

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