新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した31人目の患者(61・韓国人女性)が病院で2回も診断と検査を勧められながらも拒否したことが明らかになり、早期診断のための市民の協力が必須課題として浮上した。保健当局は、外国に行ったり患者と接触していなくても、症状があれば外部活動を慎んで医療スタッフの検査勧告にも応じなければならないと要請した。
チョン・ウンギョン中央防疫対策本部長は19日、定例記者会見で「31人目の患者が、本人は国外に出たことはなく軽症なので、COVID-19にかかった可能性が高いと思わなかったようだ」とし、「時間が経って肺炎の症状が出て検査を受けるようになったという事実を確認した」と明らかにした。これに先立ち、この患者は6日に交通事故にあった後、翌日大邱(デグ)寿城区(スソング)でセロナン漢方病院で診療を受けて入院した。該当の病院では8日、COVID-19検査が可能な他の病院に移ることを初めて勧告し、続いて15日に患者の肺炎症状を確認して再度検査を勧めた。しかし患者が自ら感染する理由がないと判断して拒否したとのことだ。結局、31人目の患者は肺炎などの症状が悪化した後、17日に寿城区保健所を訪れて検査を受け、18日に陽性判定が出た。
病院側の最初の検査勧告から10日近く経過した後に検査が行われたのだ。このように早期診断の機会を逃してしまったが、現行法上は医療スタッフの検査勧告を患者が拒否しても処罰されることはない。現行の「感染病の予防及び管理に関する法律」第42条は、1級感染病が疑われる時、保険福祉部長官、市・道知事、市長・郡守・区長は疑わしい患者に調査や診察を受けさせなければならないと規定する。このような措置を拒否する場合、300万ウォン(約28万円)以下の罰金が科せられる。地方自治体長ではない医療スタッフの勧告は該当事項ではない。チョン・ウンギョン本部長は「COVID-19を疑うほどの状況でもなく、この条項を適用することはできないと判断する」と述べた。
しかし、地域社会の集団感染が現実化しているだけに、発熱や呼吸器の症状などがある時は自ら行動規則を守り医療スタッフの勧告に協力することは、COVID-19の拡散防止に必須だ。チョン・ウンギョン本部長は「国民は発熱や呼吸器の症状があれば、なるべく学校や職場に行かずに家で休息し、必要な時は案内される医療機関を訪れなければならない」として「特にマスクをつけて行く努力がもう少し強化されなければならない必要がある」と強調した。
症状がある患者が休める文化を作るのも重要だ。盆唐(プンダン)ソウル大学病院のキム・ホンビン教授(感染内科)は「大邱(テグ)、ソウルの鍾路(チョンノ)・城東(ソンドン)などで、毎日、(感染経路が分からない)新しい患者が出ている」とし、「政府の対策とは別に、自ら(症状があって)休むと言えば職場と学校が認める文化が重要だ」と話した