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韓国「新天地大邱教会」で“スーパースプレッディング”…密集礼拝空間が災い招いた

登録:2020-02-19 21:20 修正:2020-04-09 07:25
大邱・慶尚北道、一日で確定診断者が急増、なぜ? 
 
31人目の患者が4回訪れた 
追加患者20人中14人が同じ教会 
中央対策本部「大規模露出があったことを示唆」
19日に大邱広域市でCOVID-19患者が多数出た中、この日の午後大邱中区慶北大病院に緊急搬送されたCOVID-19が疑われる患者//ハンギョレ新聞社

 19日だけで大邱(テグ)・慶尚北道地域で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の追加確定診断者20人のうち、14人が新天地大邱教会の教会信者であることが確認され、そこが「スーパースプレッディング事件」の震源地に浮上した。この教会は、31人目の確定診断者(61・女)が症状の発生する前後に4回訪問したところだ。狭い場所に多くの人が集まる教会礼拝空間の物理的環境が、大規模集団感染の原因になった。保健当局は、教会訪問者を対象に大々的な選別・診断検査を進める予定だ。大邱市は、31人目の患者と同じ時間帯に礼拝に参席した約1千人に対し全数調査を推進する。追加で教会で感染した確定診断者が大量に出る可能性が大きい。

 中央防疫対策本部は、新天地の大邱教会でスーパースプレッディング事件があったと見ている。チョン・ウンギョン本部長はこの日、定例ブリーフィングで「教会で追加の接触者と陽性患者がいる可能性があるため、教会全体に対する選別検査と診断検査を施行する計画を立てている」と述べた。「スーパースプレッディング」とは、密閉された場所で感染力が高い場合、多くのウイルスの露出で多数が感染するケースを指す。科学的用語ではないため、厳密な基準があるわけではないが、10人前後の患者が特定感染源と関連して大量に発生する時、スーパースプレッディングという。2015年のMERS(中東呼吸器症候群)事態の時、サムスンソウル病院の応急治療室で60人余りが感染した事件が代表的だ。

 ただし、保健当局は31人目の患者が14人にウイルスを伝播した最初の”感染源”だという判断は留保した。31人目の患者も同じく先に感染したまた別の人に露出して感染した可能性も排除できないからだ。チョン本部長は「4回の礼拝に参加した方々に対して全数調査が必要だ」と述べた。広範囲な調査を通じて、流行の伝播の様相を総合的に分析しなければ最初の感染者を確認することができないという。

 31人目の患者は、症状が現れる前の14日間に2回、症状が現れた7日以降にも2回、計4回この教会を訪れたことが確認された。この日午後基準で確定診断を受けた14人が教会を訪問した人々だ。大邱市はこの日、ブリーフィングで31人目の患者と同じ時間帯の礼拝参加者だけでも1千人程度と集計した。31人目の患者の動線の情報を聞いた後、検査を受ける礼拝参加者の中で大量に確定診断が出る可能性が十分にある。

 教会の空間がスーパースプレッディング事件の震源地になったことについて、保健当局は「密集した環境」を原因に挙げた。チョン本部長は「密集した環境の中で礼拝を行なったため、密接接触が多く起きたと推定している」と述べた。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)も「呼吸器感染は狭く密閉された環境で比較的健康な人が強い咳をする時に広がりやすい」と話した。

 大邱・慶尚北道で確定診断を受けた別の1人も、31人目の患者が入院していたセロナン漢方病院の職員だ。中央防疫対策本部と大邱市の説明を総合すると、31人目の患者は交通事故で7日に大邱寿城区(スソング)泛魚洞(ポモドン)のセロナン漢方病院に入院して治療を受け、14日に退院していた。17日には寿城区の保健所を訪れ診断検査をした後、この日確定診断を受け、大邱医療院に隔離入院した。この患者は、教会と病院の他にも大邱東区(トング)のクィーンベルホテルのビュッフェレストラン(15日)を訪問し、6~7日には職場(シークラブ)に出勤していたことが分かった。

 保健当局の追加疫学調査の結果、この日までに31人目の患者が接触した人は計166人と集計された。セロナン漢方病院の接触128人のうち、入院患者32人は大邱医療院に移送され、残りの接触者たちは自家隔離に入った。31人目の患者との関連性が見られない3人の患者に対しては疫学調査を進めている。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/928893.html韓国語原文入力:2020-02-19 19:23
訳J.S

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