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ソウル、2050年に気候変動危険都市7位

登録:2020-02-01 01:42 修正:2020-02-01 07:53
世界85の主要都市を分析した結果 
バンコクが気候変動の危険度1位に 
ソウルは「乾燥した冬、暑い夏」に 
メルボルン、水不足ストレス4倍に
バンコクは、主要都市の中で海面上昇の危険が最も高い都市に挙げられた=Pixabay//ハンギョレ新聞社

 今から30年後の2050年は、21世紀に生まれた世代が社会の主役として活動する時期だ。都市化が続き、2050年には世界人口の3人に2人が都市に住んでいると国連は予想する。グローバル化の流れに乗って、他国の都市を訪れたりとどまったりする人もますます増えるだろう。都市は21世紀の人類最大の懸案である気候変動の最前線だ。すでに世界の温室効果ガス排出量の75%が都市から出ている。このまま放置した場合、都市と気候変動の悪循環が起こることは火を見るよりも明らかだ。Z世代(ここでは21世紀生まれの世代の意)の暮らしの基盤となる世界主要都市の30年後の気候は、今とどのように変わるのだろうか。

2050年の気候変動指数上位10都市 (資料:ネストピック)//ハンギョレ新聞社

 ドイツに拠点を置く国際マンション賃貸プラットフォーム「ネストピック(Nestpick.com)」は最近、世界の主要都市の30年後の気温変動、水不足、海面上昇幅、気候類型の変化(ケッペンの気候区分による)に関する研究資料をもとに点数をつけた『2050 気候変動都市指数(2050 Climate Change City Index)』を発表した。気温変動の比較基準は1971~2000年の平均気温だ。報告書は、世界の若者たちに旅行地として人気の高い85都市を分析対象としている。

ソウルは気候変動指数の総合7位。気候類型が現在の「大陸性の暑い夏」から「温帯性の乾燥した冬、暑い夏」に変わると予測=Pixabay//ハンギョレ新聞社

 分析の結果、気候変動指数(100点満点)が最も高い都市はタイのバンコク(100点)だった。次いでベトナムのホーチミン(85.3)、オランダのアムステルダム(84.3)、中国の深セン(62.2)、豪州のメルボルン(49.5)が上位2~5位を占めた。

 ソウル(45.8)もワースト10内に入り、英国カーディフ(47.0)に次いで総合7位。ソウルは海面上昇、気温変動、水不足などの部門別の危険順位はそれぞれ22位、38位、40位と高くなかったが、気候類型の変化でケニアのナイロビに次ぐ2位を記録した。報告書はソウルの気候が現在の「大陸性の暑い夏」から「温帯性の乾燥した冬、暑い夏」へと変わると予測した。ソウルの年間平均気温の変動幅の予想値は2.12度だった。気候変動指数が最も低い都市は、低い順にフランスのマルセイユ、米国のオーランド、ブラジルのリオデジャネイロだ。

 部門別にみると、バンコクは海面上昇リスクで2位に大差をつけて1位となった。これにホーチミンとアムステルダムを加えた3都市が、海面上昇リスクに最もさらされた都市ワースト3となった。水不足ストレスの増加では、豪州南東部のメルボルンが圧倒的1位だった。メルボルンは、昨年9月からの長期にわたる日照りで最悪の山火事の被害をこうむったビクトリア州の州都である。今より水不足ストレスが4倍深刻になるものと予測される。気温変動では、スロベニアの首都リュブリャナが今より気温が3.53度上がると予想され、1位を記録した。次いで米国のシンシナティ(3.38度)、ボルチモア(3.35度)の変動幅が大きかった。一方、ブラジルのリオデジャネイロは0.95度で、上昇予想幅が1度に満たなかった。

 水不足は、全般的に他のカテゴリーに比べ、ややましと予測される。報告書によると、調査対象の85都市のうち72都市は2040年まで水供給に支障がないものとみられる。水不足では中東カタールのドーハが今と同様、今後も最大のストレスに直面するだろうと予想される。

オーストラリアのメルボルンは、水不足ストレスの増加が今後もっとも深刻になる都市に選ばれた=Pixabay//ハンギョレ新聞社

 ネストピックは、同指数が長期的な気候変動に備える政策の樹立や、未来世代が一生の住まいを選択するのに役立つことを望むとした。ネストピックは、気候変動の予測自体が難しいうえ、これを分かりやすく示すことも容易ではないが、ベルギーのゲント大学の生態学者ジャン=フランソワ・バスティン(Jean-Francois Bastin)博士ら気候変動の専門家やケッペン=ガイガーの気候予測資料、世界資源研究所(WRI)などの報告書をもとに作業を進めたと語った。世界的に有名な観光都市であるベネチアは、データ不足で今回の順位からは外された。

 指数は海面、気候、水不足の3つのカテゴリーの点数をそれぞれ算出した後、各点数を合計したもの。気候変動シナリオは今と同水準の気候変動に対する対応が続くとするシナリオ(RCP4.5)を使用した。このシナリオによると、2100年までに二酸化炭素濃度は最大1370ppmに達し、世界の平均気温は1986~2005年のそれに比べ2.6~4.8度上昇する。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/future/926433.html韓国語原文入力:2020-01-31 17:54
訳D.K

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