「今、政府と企業は環境問題について何の行動もしていませんが、こんな風に私たちが集まって声を出せば行動するんじゃないでしょうか」。パク・ボミさん(15)は早退して父親とともに「欠席デモ」の現場を訪れた。出欠点数で引っかかるかもしれないという話を聞いたが、点数より欠席デモの方が意味があると思ったからだ。パクさんは「担任の先生が朝、私に『行動を支持する。行ってこい』と応援してくれた」と話した。
イ・スンミン君(18)は同じ学校の生徒34人と欠席デモに来た。段ボールを再利用して作ったプラカードには「何もせずに/後悔しないで/行動して/いっしょにやろう」という気候行動4行詩を書いた。イ君は「環境が破壊されると元に戻すのは大変だ。チャンスは生かすべきだと思う」とし、「学校は公欠処理はできないと言ってたけど、友人34人と一緒にこの場にやって来た」と明かした。
27日午前10時、ソウル光化門(クァンファムン)世宗路(セジョンノ)小公園で「気候のための欠席デモ」が開かれた。早退・欠席をして参加した青少年ら450人など500人あまりの市民が現場に集った。今回のデモを企画した青少年気候行動で活動するキム・ユジンさん(17)は「気候変動に実質的な対応を見せない政府の姿を見てじっとしていられなかった。声を上げる決然とした意志を示したい」と語った。
この日、学生やサラリーマンなど18人が壇上に上がり自由発言を行った。発言に臨んだハン・ダソル君(16)は「明後日中間テストがあるけど、いまは気候変動が深刻な状態なのでこの場に来た」と述べた。幼い頃、アトピーと気管支喘息を患い、江原道麟蹄(インジェ)に転居したハン君は、「冬が妙に暖かくなり、何度も麟蹄ワカサギ祭が中止になったり延期になったりした」とし、「水や空気、森が壊れていく現象の心配をせずに、また安心して勉強できるようにしてほしい」と、政府と大企業に関心と努力を求めた。
欠席デモを企画した青少年気候行動はこの日、「2019年9月27日、大韓民国の青少年が評価した気候危機対応分野」の成績を発表し、大韓民国に「無責任ラスボス賞」を授与した。キム・ユジンさんは、「現在、政府は2030年までに炭素排出量を減らすと言うだけで、具体的な内容を語っていない」と言い、政府に「気候危機対応分野」で0点を与えた理由を説明した。そして「無責任な気候政策によって、学校にいるべき青少年を街頭に追いたてているなど、無責任のラスボス(Last Boss、最強の敵)と呼ばれても遜色ない姿を示してきた」と、無責任ラスボス賞を授与することになった背景も付け加えた。
この日の欠席デモは、今年3月15日と5月24日に続く三度目だ。欠席デモは、スウェーデンの環境運動家グレタ・トゥーンベリさん(16)が始めたもの。グレタ・トゥーンベリさんは昨年8月にスウェーデン議会前で気候変動対策を求め「登校拒否」デモを行った。彼女は学校に行く代わりにスウェーデン議事堂前で「気候のための学校スト」運動を1カ月以上続けた。トゥーンベリの1人デモを見た独、英、仏、豪、日本など130カ国あまりの青少年160万人が同調し、毎週金曜日に気候変動に対する行動を求める運動「未来のための金曜日(Friday for Future)」に発展した。グレタ・トゥーンベリさんと彼女の率いる「未来のための金曜日」運動は16日、アムネスティ・インターナショナルの「良心の大使賞」を受賞した。またトゥーンベリさんは今年、最年少のノーベル平和賞候補にも挙がっている。
この日、光化門で集会を終えた500人余りの市民と青少年は、大統領府まで行進を続け、大統領府に到着後、成績表と賞状、要求を記した書簡を提出した。要求事項は「2020年までに建設される国内外の新規石炭火力発電所の白紙撤回」、「政府レベルでの気候危機宣言」、「青少年気候行動との公式ミーティング」など計5項目が書かれている。