「韓国軍によるベトナム戦民間人虐殺」関連情報を非公開にした国家情報院の処分を違法とする裁判所の判断が再び下された。
31日、ソウル行政裁判所行政11部(裁判長パク・ヒョンスン)は、民主社会のための弁護士会(民弁)のベトナム戦民間人虐殺真相究明TF(民弁TF)が国家情報院長を相手に「情報非公開処分の取り消し」を求めて出した訴訟で、原告一部勝訴判決を下した。裁判所は、ベトナム戦争当時にフォンニィ・フォンニャット虐殺に加担した韓国軍チェ・ヨンオン中尉ら3人を調査して作成した文書目録のうち、彼らの生年月日の一部を除き非公開処分を取り消すと明らかにした。これは、国家情報院の非公開処分を違法と見た3回目の裁判所の判断だ。
2017年8月、民弁TFに所属するイム・ジェソン弁護士(法務法人 ヘマル)は、国家情報院を相手に「フォンニィ・フォンニャット虐殺に加担したチェ中尉ら3人を調査して作成した文書を公開せよ」として、情報公開請求を出したが「外交的不利益が憂慮される」という理由で非公開処分を受けた。民弁TFは、行政訴訟を通じて1969年11月に中央情報部がベトナム民間人虐殺に加担した1中隊1小隊長チェ・ヨンオン中尉、2小隊長イ・サンウ中尉、3小隊長キム・キドン中尉を尋問し、1972年8月に尋問調書目録を作っていた事実も明らかにした。
行政訴訟で一・二審裁判部は続いて関連情報を公開せよと判断すると、国家情報院は上告せずに判決が確定したが、国家情報院は「個人情報の流出が憂慮される」という別の理由を挙げて再び情報非公開処分を下した。これに対し民弁TFは、ソウル行政裁判所に情報非公開処分の取り消しを求めて2回目の訴訟を起こした。
「フォンニィ・フォンニャット民間人虐殺事件」は、1968年2月12日、ベトナム戦争に投入された韓国軍青龍部隊(海兵第2旅団)がベトナム中部のクアンナム省のフォンニィ・フォンニャット村の住民74人を殺害した事件だ。当時の参戦軍人のチェ中尉(当時、海兵浦項(ポハン)上陸戦基地司令部訓練教場管理隊射撃場補佐官)、イ中尉(慶尚南道鎮海(チンヘ)海兵学校区隊長)、キム中尉(浦項派越特殊教育隊勤務)の3人は、2000年5月に「ハンギョレ21」を通じて「1969年中央情報部から民間人虐殺事件の調査を受けた」と初めて証言した。だが、情報当局は関連証言に沈黙した。
イム弁護士は、ハンギョレとの通話で「情報公開請求を提起してから2年が過ぎた。裁判所が繰り返し情報非公開は違法だと判断した以上、国家情報院は控訴で無用な争いを継続せずに、関連情報を公開しなければならない」と話した。