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イ・ジョンソク元長官「スナップバックを前提にした対北制裁の緩和が必要」

登録:2020-01-21 06:10 修正:2020-01-21 07:59
統一部記者団昼食懇談会 
「米国の非核化方法論の独占」を批判 
「北朝鮮、挑発した場合は制裁緩和を取り消す」
2020年1月20日、イ・ジョンソク元統一部長官がソウル鍾路区統一部で開かれた昼食会を兼ねた記者懇談会で発言している=イ・ジェフン記者//ハンギョレ新聞社

 イ・ジョンソク元統一部長官は、「制裁だけでは北朝鮮の核問題は解決できない」とし、膠着状態に陥った朝米非核化交渉を再開するための案として、「スナップバック(約束履行がなければ撤回)」を前提にした国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁の緩和を強調した。

 イ元長官は20日、統一部で開かれた記者懇談会で、中国とロシアが昨年末、国連安全保障理事会に提案した対北朝鮮制裁の緩和の決議案に言及し、「(米国を説得するために)スナップバックを前提に中ロの提案を活用することを、韓国が自信をもって提示しなければならない」と述べた。イ元長官は、「制裁を通じて北朝鮮の非核化を引き出すという米国の主張は、北朝鮮核問題解決に効果的ではない」と診断した。さらに、「米国が非核化方法論を独占しているのが現実だ」と指摘し、「制裁決議は北朝鮮に核を放棄させる方法であって、目標ではない。制裁緩和と制裁を一定に混ぜる方法を考えなければならない」と述べた。具体的には北朝鮮の核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の停止に対する相応の措置として、2017年末に加えられた制裁などを一部緩和する案を検討する必要があると強調した。「北朝鮮を経済発展に導きながら、非核化を進展させなければならない」という主張だ。

 イ元長官は、2018年の南北関係が朝米関係を進展させた状況に触れ、「2年前、南北関係を優先的に進めることで、朝米関係を発展させ、改善させることができた。その記憶を召喚しなければならない」と述べた。

 イ元長官は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が昨年12月31日、朝鮮労働党中央委員会第7期第5回全員会議で予告した「衝撃的な実際の行動」と関連し、核実験や大陸間弾道ミサイルの追加発射よりは「北朝鮮が持っている兵器体系や大陸間弾道ミサイルの輸出可能性をそれとなく暗示した可能性もある」は分析した。また、北朝鮮の“挑発”を抑制できる道に関して「最小限の条件は、韓米合同軍事演習が再開されず、米国が北朝鮮に対して独自の追加制裁を加えないことだ」と述べた。

 北朝鮮の代表的な「対南ライン」のリ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長が新しい外務相になったとされることについて、イ元長官は、「リ・ソングォン外務相」の任命が対米強硬路線に転じたことを意味するとは限らないと分析した。彼は「リ・ソングォンが(非核化交渉で)実質的な役割を果たすとは思っていない」とし、「非核化交渉問題はチェ・ソンヒ第1外務次官を中心に解決を模索していく可能性が高い」と見通した。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/925155.html韓国語原文入力:2020-01-21 02:40
訳H.J

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