大統領府は16日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、「最近の中東の地域情勢と関連して、韓国の国民と企業の生命と財産を保護し、韓国船舶の安全な自由航行を確保するための方策を検討した」と明らかにした。中東ホルムズ海峡への派兵について、大統領府の気流に変化があるのではないかという観測が流れている。
それは、NSC会議終了後に大統領府が配布した報道資料に「韓国船舶の安全な自由航行を確保するための方策を検討した」という部分があるためだ。9日に開かれたNSC常任委の結果発表にはなかった表現だ。当時、大統領府は「(NSCの)常任委員は、中東地域で早期に緊張が緩和され、情勢が安定するよう、国際社会と緊密に協力する方策についても検討した」と発表している。大統領府内外では、米国とイランによるドローン攻撃とミサイル発射の応酬で危機が高まっている状況では派兵が難しいという観測が支配的だった。
しかし、この日登場した「船舶の安全な自由航行を確保するための方策」という表現については、海軍艦艇の派遣を念頭に置いているのではないかとの見方が出ている。実際、政府内ではアデン湾で活動する清海部隊の作戦範囲を近隣のホルムズ海峡にまで広げる案が検討されているという。ただ、キム・インチョル外交部報道官はこの日の定例会見で、「(米国との)防衛費分担協議の過程では、ホルムズに関するいかなる事項も話し合われたことはない」と述べた。
また、大統領府はこの日の会議について「常任委員は、今年の朝米間の非核化協議の実質的な進展に寄与する方向で南北協力を推進し、朝鮮半島和平プロセスを活性化させる方策について話し合った」と明らかにした。