朝米対話の膠着局面が続く中、カン・ギョンファ外交部長官が「特定の時点では南北が先に進むこともあり得ると考えている」と述べ、“南北対話”で北朝鮮との“対話のモメンタム”を維持していく必要性を強調した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が新年の辞や年頭記者会見で明らかにしたように、朝米対話に従属せず、南北関係を進展させていくという韓国政府の立場が明確になっている。
カン長官は14日(現地時間)、米サンフランシスコ近くのパロアルトで、マイク・ポンペオ米国務長官、茂木敏充日本外相と韓米外相会談および韓米日外相会談を行った後、記者団に「大きな枠組みでは、朝米対話と南北対話が互いに補い、好循環の過程を経ていくべきというのが我々の基本的立場」だとしたうえで、「特定の時点では朝米が先に進むことも、また南北が先に進むこともあり得ると考えている」と述べた。カン長官は「朝米間の対話に進展が見られない状況では、南北にできる部分を話し合い、『エンゲージメント(関与)モメンタム』を維持していくことが重要だ」と強調した。さらに、「南北間で重要な合意があり、その中でも制裁に触れない部分もあって、例外を認めてもらうべき事業もあると思う」とし、「このようなことについてポンペオ長官と様々な意見を交わし、米国も我々の意志や希望事項について十分に理解している状況だ」と説明した。南北関係の進展を通じて朝米関係を牽引するという韓国政府の意志を米国に説明し、米国も“理解”したと確認したのだ。
これと関連して外交部関係者は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が年頭記者会見で言及した北朝鮮地域への「個別観光」の推進と関連し、「履行する過程で様々な状況を考慮しなければならないが、個別観光については原則的レベルでは制裁問題はない」とし、「多くの国が個別観光を許可しているのに、韓国国民はまだ(北朝鮮に)行けないというのは、我々が自らを制約しているのではないか、そのような意識から出発したもの」だと説明した。
米国は同日の韓米外相会談で、韓国にホルムズ海峡の安全を確保するための「有志連合」への参加と派兵を求めたものとみられる。ポンペオ長官はカン長官に、「米国とイラン間の状況を共有し、すべての国が共同の努力を通じてホルムズ海峡や中東情勢の安定に貢献する必要がある」と強調したという。カン長官は会談後「米国は『ホルムズ海峡に多くの経済的ステーク(利害関係)がある国々はすべて貢献すべき』という基本的立場を持っている」とし、「韓国も原油輸入の70%をこの地域に依存しているだけに、関心を持って貢献しなければならないという(のが米国の)立場」だと説明した。カン長官は「我々がいかなる決定を下すかは国家安全保障会議(NSC)レベルで議論が続くだろう」と述べた。
韓国は同日、別途に開かれた韓日外相会談で、日本が対韓国輸出規制措置を早期に撤回し、輸出当局間の対話に拍車をかけるよう求めたと、外交部が明らかにした。強制動員問題については、両国が従来の立場を再確認しただけで、意見の隔たりを埋めることはできなかったという。