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文大統領「これ以上朝米対話を見守っているわけにはいかない」4回も強調

登録:2020-01-15 06:18 修正:2020-01-15 09:17
[年頭記者会見]南北・外交分野 
南北関係の発展で平和牽引する意志明らかに 
「最大限協力すべき…米国とも意見の一致」 
制裁を受けない個別観光を推進する考え明らかに
文在寅大統領が今月14日、大統領府の迎賓館で開かれた年頭記者会見で、記者たちの質問に答えている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「朝米対話だけを見守っているのではなく、南北の間でできる最大限の協力を進めていく必要がある」と述べた。文大統領は14日、大統領府で行った年頭記者会見で、南北関係及び朝米関係に関する5回の質疑応答の過程で、「これ以上朝米対話だけを見守っているわけにはいかない」という趣旨の発言を4回もした。「南北関係は我々の問題であり、我々がもう少し主体的に発展させていかなければならない」と述べた。

 朝鮮半島平和プロセスにおける「南北関係牽引論」である。2019年の「先に朝米、後で南北」の基調から抜け出し、2018年、8・15記念式典で「南北関係の発展は朝米関係進展の付随的効果ではありません。むしろ南北関係の発展こそが朝鮮半島の非核化を促進する動力です」と強調した「南北関係牽引」基調に立ち戻る意志の表れだ。今月7日の新年の辞に比べ、南北関係の発展で現在の膠着状況を突破していく意志をより明確にした。

 注目すべき点は、文大統領が「南北の間で最大の協力が必要」だと述べたあとすぐに「そのことについて韓国と米国の間では意見が一致している」と付け加えた事実だ。チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長が7~9日、ワシントンでドナルド・トランプ大統領と米政府高官と面会し、これと関連した“共感”を形成したという意味と見られる。

 文大統領の南北関係改善構想のうち、「個別観光などは国際制裁に抵触しないため、十分に模索できると考えている」という発言が注目に値する。キム・ヨンチョル統一部長官が、昨年後半に個別観光を検討する考えを示したことはあるが、文大統領が直接公に「個別観光の推進」を表明したのは初めてだ。

 観光は国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁対象には含まれない。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が外貨稼ぎと外資誘致の主な手段として力を入れてきた「観光事業の活性化」に向けた3大国策建設事業(元山葛麻海岸観光地区・陽徳温泉文化休養地・三池淵郡建設)にも通じるものがある。金剛山観光の再開に向けた糸口といえる。文大統領は、「個別観光」で行き詰まっている南北関係に風穴を開け、事実上の制裁緩和効果で朝米交渉の再開に向けた環境づくりを目指すという構想を明らかにしたことになる。

 文大統領は「制裁緩和」の必要性についても、慎重ながらも強く提起した。北朝鮮の「実質的な非核化措置」に対する相応の措置としての制裁緩和と、南北関係の改善の基盤としての制裁緩和が2つの軸だ。例えば、文大統領は「北朝鮮が非核化に向けた実質的措置を取るなら、当然米国、国際社会も相応の措置を取らなければならず、その中に対北朝鮮制裁の緩和も含まれる可能性がある」と述べた。さらに「南北関係の協力に国連制裁から例外的な承認が必要なら、その部分も努力していけるだろう」と述べた。さらに「南北関係は我々の問題だから、より主体的に発展させなければならない」と強調した。南北関係改善の突破口として、今後「制裁緩和」に積極的に取り組むという意志とみられる。

 文大統領は、トランプ大統領が金委員長の誕生日を機に送った親書と北朝鮮のキム・ゲグァン外務省顧問が11日に発表した談話からも、肯定的意味を探ろうと努力した。トランプ大統領の金委員長に宛てたメッセージは、「北朝鮮を依然として最も重要な外交対象と考えているという意味」だとし、「首脳間の親交を維持し、対話を続けていこうという意志(の表れ)」だということだ。文大統領はキム顧問の談話についても、「北朝鮮も対話の扉は開けており、対話を望んでいるという意思を示すものだ」と分析した。そのため、「まだ朝米協議が成功する可能性に強く期待したい」と語った。ただし、米国大統領選挙(11月3日)局面に触れ、「朝米間に多くの時間があるとは思わない」と指摘した。“スピード”が必要だという認識である。

 文大統領は「北朝鮮のメッセージは、非核化対話は朝米問題であることを明確にしたもの」だとし、「南北関係の発展と協力に向けた南北対話を拒否するメッセージは全くなかった」と述べた。

 文大統領のこのような認識は、目の前の南北関係と朝米関係に比べてかなり楽観的だ。しかし、文大統領は「外交は目に見えるものばかりではない、目に見えない部分がはるかに多い」と、会見の開始と締めくくりの答弁で2回も強調した。公表されていない水面下の動きの可能性を示唆する。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/924434.html韓国語原文入力:2020-01-15 02:30
訳H.J

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