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麗水・順天事件、民間人犠牲者再審で検察が無罪求刑

登録:2019-12-23 20:49 修正:2019-12-24 06:44
「内乱の証拠ない…名誉回復は国家の義務」 
光州地検順天支庁、来年1月20日に再審宣告
米国ライフ誌カール・マイダンス記者が撮った1948年麗水・順天事件の惨状=麗水地域社会研究所提供//ハンギョレ新聞社

 検察が、1948年の麗水(ヨス)・順天(スンチョン)事件当時に反乱軍に協力したという容疑で死刑になった民間人犠牲者の再審で無罪を求刑した。

 光州(クァンジュ)地検順天支庁は23日、光州地方裁判所順天支部で開かれた麗水・順天事件の犠牲者、チャン・ファンボン氏らの再審公判で「内乱および布告令違反の証拠がない。無罪を宣告してほしい」と明らかにした。検察は「再審開始以後、国家暴力による民間人犠牲事件という点で共感が形成され、その実状も明らかになった。遺族の痛みを推し量ることができなかった」と伝えた。

 検察はさらに「犠牲者の名誉回復は国家の当然の義務だ。こうした努力が民間でなされ、検察も公訴の維持に最善を尽くした」と話した。犠牲者の容疑については、「決定的な訴訟記録や類似記録を確保できなかったが、軍事裁判の正当性に疑問があったことを認める。証拠として提出された命令書が判決書に準ずるものとして通じ、死刑、無期懲役、無罪等が宣告されたことが分かった」と付け加えた。

 遺族の弁護人は「再審の特性上、有罪判決が実体的事実と違うという点を確認しなければならない。内乱罪を犯したという実体がないので、当然無罪」と明らかにした。遺族のチャン・ギョンシムさんは「この裁判が大韓民国の歴史を変え、無念な方々を慰労する契機になってほしい。歴史的判決で大韓民国の民主主義が発展する契機になることを願う」と話した。

 裁判所はこの日、弁論を終結して来年1月20日に宣告することにした。麗水・順天事件当時に鉄道員だったチャン氏らは、1948年10月、国軍が順天を奪還した直後に反乱軍を助けたという理由で逮捕され、22日後に軍事裁判所で内乱と国権紊乱罪で死刑の宣告を受け亡くなった。

 最高裁(大法院)は3月21日、「当時の判決文に具体的な犯罪事実と証拠の要旨が書かれておらず、順天奪還後に罪を争うに足る時間的冗長性もなく死刑が執行された。チャン氏らは合法的手続き抜きで逮捕・拘束されたと見られる」として再審の開始を決めた。

アン・グァノク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/921839.html韓国語原文入力:2019-12-23 16:34
訳J.S

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