本文に移動

ビーガン特別代表の訪韓と北朝鮮の批判談話…朝米接触、実現なるか

登録:2019-12-13 01:30 修正:2019-12-13 07:58
北朝鮮の「年末期限」控え、15~17日の訪韓に注目集まる 
米国、安保理でトランプ大統領の指示で「北朝鮮情勢」の議論にとどまる 
北朝鮮「我々が明白な決断を下す手助けとなった」 
「米国のいかなる選択にも相応の対応できるよう準備」 
米国のケリー・クラフト国連大使が今月11日(現地時間)、ニューヨーク国連本部で「北朝鮮情勢」を議論するために召集した国連安全保障理事会の会議を主宰している/聯合ニュース

 スティーブン・ビーガン米国務省副長官指名者兼北朝鮮政策特別代表が、15~17日に韓国を訪れる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「重大な問題を討議・決定する」とし、今月下旬に開催すると予告した朝鮮労働党中央委員会全員会議を控えた時期だ。北朝鮮が公言した「年末期限」と「新たな道」を控え、緊張が高まる朝鮮半島情勢に変化をもたらす契機になるかに関心が集まっている。

 最大の関心事は、ビーガン特別代表の訪韓期間に朝米接触が実現するかどうかだ。現在としては、板門店(パンムンジョム)で朝米非公開接触が実現する可能性は高くないというのが大方の予想だ。ただし、ビーガン特別代表がドナルド・トランプ米大統領の親書や「口頭メッセージ」を持参すれば、北朝鮮が接触に応じる可能性もある。

 ビーガン特別代表は韓国→日本→中国の順で北東アジア3国を歴訪する計画だという。最初の訪問先がソウルであることからも分かるように、韓米協議と訪韓をきっかけにした朝米接触の試みに焦点を合わせている。ビーガン特別代表はソウルでイ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長をはじめ、大統領府や外交部、統一部など政府高官らに会う予定だ。当初、今回の歴訪は米議会の副長官承認手続き後、顔合わせを兼ねて推進されたものだ。しかし、朝米対立など朝鮮半島情勢の緊張が高まる中、議会の承認手続きが終わっていない状況で強行される。

 ビーガン特別代表の訪韓を控え、米国政府は北朝鮮の激しい「談話外交」と今月7日の東倉里(トンチャンリ)でのエンジン燃焼実験などに対応するより、情勢の管理に重点を置いているものと見られる。トランプ大統領を「老いぼれ」と非難した北朝鮮の暴言にも反応を示さなかった。

 米国政府は世界人権宣言の日である10日をめどに進められていた国連安全保障理事会の「北朝鮮人権討議」を急遽中止した。その代わり、11日の安保理で「北朝鮮情勢」について議論する方に転じた。国内外のマスコミは同日の安保理会議を、北朝鮮の東倉里エンジン燃焼実験に対する米国の対抗カードと解釈したが、実際は異なる。安保理の議論のテーマを「北朝鮮の人権」ではなく「北朝鮮情勢」に変更した方が良いというトランプ大統領の指示があったという。北朝鮮が「敵視政策の現れ」だと激しく非難する「北朝鮮人権決議」の追加の議論を停止させ、それに伴う政治的負担を減らそうとするトランプ大統領の政務的判断といえる。

 しかし、北朝鮮は12日午後、「外務省報道官談話」を発表し、「米国が国連安保理会議を主導し、北朝鮮に圧力を加える雰囲気を高めていることについて、絶対に黙って見過ごすことはないだろう」と激しく反発した。そして、「米国は自ら自分の首を絞めるような愚かなことをした」とし、「我々にどの道を選ぶかについて、明白な決断を下す手助けになった」と述べた。「新たな道」を進むことを示唆したものと見られる。しかし、「米国の選択が何であれ、相応の対応を取る準備ができている」とも強調し、米国の選択によって北朝鮮の対応が変わる可能性があることをほのめかした。

 同談話は、9日夜「(金正恩)国務委員長は、まだいかなる立場も明らかにしていない状態」だとしたリ・スヨン労働党中央委員会副委員長の談話から三日後に発表されており、10月5日のストックホルム朝米実務協議以来、18番目の“対米非難談話”だ。韓国政府高官は「ビーガン特別代表の訪韓を情勢の進展に向けた糸口にしようと努めている」と述べた。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/920684.html韓国語原文入力:2019-12-12 21:09
訳H.J

関連記事