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平和な朝鮮半島に向けた中国の支援を要請した文大統領に、王部長「建設的役割続ける」

登録:2019-12-05 23:31 修正:2019-12-06 00:05
文大統領、大統領府で王毅部長と面会 
「習近平主席の来年の早期訪韓」を招請 
王毅部長、昼食会の演説で米国の覇権主義を批判 
「中国の復興は止められない」 
「韓中の戦略的疎通のために訪韓」
文在寅大統領が今月5日午後、大統領府本館の接見室で、中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長と握手を交わしている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5日、中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長と面会し、「核なき平和な朝鮮半島という新しい朝鮮半島時代が開かれるまで、中国政府が関心を持って支援してほしい」と述べた。文大統領は2014年以降来韓していない中国の習近平国家主席に対し、「来年早期に訪韓してほしい」として、招待の意思を表明した。

 文大統領は同日、大統領府で王部長の表敬訪問を受け、「いま朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和構築に向けたプロセスが重大な岐路に立たされている」と述べ、朝米交渉が膠着状態に陥る中、懸念が高まっている朝鮮半島情勢に対する中国の協力を強調した。そして、「両国間の緊密な対話と協力が、北東アジアの安保を安定させ、世界経済の不確実な状況をともに乗り越える力になるだろう」と付け加えた。

 コ・ミンジョン大統領府報道官はブリーフィングで、「文大統領は、朝鮮半島の非核化や平和3大原則(戦争を容認せず、相互の安全を保証し、共同繁栄を図る)について説明し、『非武装地帯の国際平和地帯化』提案に対する中国側の関心と支持を呼びかけた」と伝えた。これに対し、王部長は「最近、朝鮮半島情勢が厳しさを増しているが、朝鮮半島の非核化と平和的解決に向けたモメンタムを維持するための建設的な役割を持続していきたい」と述べた。

 韓中両国は今月末、中国で開かれる韓中日首脳会議を機にした文在寅大統領と習近平主席の首脳会談と、来年初めの習主席の国賓訪問について共感したという。コ報道官はブリーフィングで、「文大統領は習主席の国賓訪問が来年早期に行われ、両国間の戦略的協力パートナー関係をさらに充実させる契機になることを期待すると述べた」と伝えた。文大統領は「習主席に宜しくお伝えください」と言い、「先月APEC(アジア太平洋経済協力)会議が延期されたため、会えなくなり残念だった」とし、「近くお会いできることを待ち望んでいる」と述べた。 王毅部長は「今月予定されている大統領の中国訪問に万全を期し、中韓関係の発展を推進するだけでなく、中韓日3カ国間の協力も上手く進めなければならない」と述べた。

 王部長は文大統領に「現在の国際情勢は一方主義と強権政治の脅威にさらされている」としたうえで、「両国は隣国であり、対話や協力を強化して、多国間主義と自由貿易を守ると共に、基本的な国際規則をきちんと遵守しなければならない」と述べた。米中の間で貿易摩擦や覇権争いが繰り広げられる中、韓中が協力してトランプ政権の一方主義と保護貿易主義に対抗しようというメッセージだ。

 THAAD(高高度防衛ミサイル)をめぐる韓中対立以降初めて訪韓した王部長は、同日の公開演説でも米国を厳しく批判し、「韓国との戦略的協力」を強調した。王部長は同日、ソウル奨忠洞(チャンチュンドン)の新羅ホテルで開かれた韓国 の“親中”要人らを対象にした昼食会の基調演説で、「冷戦の考え方は時代遅れであり、覇権主義に基づく行為は支持を得られない」とし、「中国の復興は歴史の必然であり、誰も止められない」と述べた。貿易と技術をめぐる覇権争いと共に、香港問題などをめぐっても対立している米国を狙った発言と言える。王部長は同日、THAAD問題に関連した報道陣の質問に対し、「THAADは米国が中国を狙って作ったもので、米国が起こした問題であり、韓中関係に影響を与えた」と述べた。王部長は「今回韓国に来たのは重要な戦略的疎通をするため」だとし、「韓中二国間貿易が昨年3千億ドルを突破しており、両国はすでに『利益共同体』になった」と強調した。

パク・ミンヒ、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/919810.html韓国語原文入力:2019-12-05 20:11
訳H.J

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