李洛淵(イ・ナギョン)首相が22日、天皇の即位式に政府を代表として出席した後、初めての日程として故イ・スヒョンさん追悼碑を訪れた。東京の新大久保駅にある追悼碑の前に菊の花を供えた李洛淵首相は、「人間愛は国境を越える。(イ・スヒョン)義人が実践して見せた献身の心を追悼するために来た」と述べた。
李首相はさらに、「両国は長い目で見ると、1500年の交流の歴史がある。不幸な歴史は50年にも満たない。金大中(キム・デジュン)大統領がおっしゃったように、50年足らずの不幸な歴史のために、1500年にわたる友好協力の歴史が損なわれるのは愚かな事」だと語った。李首相は「イ・スヒョン義人のような方々が人間に対する愛情で身を投げたことを考えてもらいたい」として、24日に安倍晋三首相を会う前に追悼碑を訪れた意味を振り返った。首相室関係者は「『50年足らずの不幸な歴史』とは文禄・慶長の役の7年間と日帝強占期(日本の植民地時代)の35年間を合わせた期間のことを指す」と説明した。
イ・スヒョンさんは2001年、新大久保駅の線路に落ちた日本人を助けようとして、一緒に飛び込んだ日本人写真家と列車に轢かれて命を失った。イさんの犠牲は当時、韓国と日本の両国のマスコミに紹介され、韓日友好の象徴として注目を浴びた。当時、日本の森喜朗首相がイ・スヒョンさんの殯所を弔問し、金大中(キム・デジュン)大統領に哀悼と感謝の書簡を送るなど、政治指導者の交流につながった。李首相が追悼碑に献花したことについては、NHKや共同通信などの現地メディアも関心を持って取材した。
これに先立ち、李首相は同日未明6時30分、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の親書を持ってソウル空港から日本に向かって出国した。李首相は出国前に空港に歓送に来た長嶺安政駐韓日本大使に、「今回の訪問ですべてが解決されるとは期待していないが、それでも一歩前進する契機になるだろう」と述べた。李首相は天皇の即位式(即位正殿の儀)に出席した後、「非常に荘重な日本の歴史と文化を感じることができた」と感想を述べた。