チョ・グク法務部長官の辞任後、明確な世論の趨勢がつかみきれない。18日に公開された韓国ギャラップの世論調査によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国政遂行支持率は就任後最低の39%を記録した。前日に発表されたリアルメーターの調査で、文大統領の国政支持率が反発したのとは真逆の流れだ。
韓国ギャラップは、先週に比べ大統領国政支持率が4%下落した今回の結果について「チョ長官の辞任に支持層が失望したため」と分析した。「チョ・グク守護」を叫んだ広場のろうそくに強く共感した層が、チョ長官退陣の政治的責任を文大統領に問うたことを意味する。韓国ギャラップはこのような判断の根拠として「チョ・グク守護」の世論が強かった全羅道と30代で国政遂行に対する肯定評価の下落率が大きかった点を挙げた。全羅道は肯定評価が一週間で76%から67%に、30代では60%から46%に急落した。
しかし、正反対の解釈もある。政治コンサルティング「ミン」のパク・ソンミン代表は、「中道層で肯定的な評価率が大きく下がった理由も同時に考えなければならない。チョ・グク辞任に対する未練と辞任後も変わらない与党に対する失望、北朝鮮で起きた「見えないサッカー」が影響を与えたのかもしれない」と語った。実際、チョ前長官に友好的でない中道層でも肯定評価は一週間で10%(46%→36%)も減少した。支持政党がない「無党派層」の肯定評価の割合も25%から19%に落ちた。
世論全般の趨勢を断定するのはまだ早いという評価も出ている。17日に発表されたリアルメーターの調査によれば、文大統領の国政遂行支持率は前週と比べ4.1%上昇し45.5%だった。2週続いた下落の勢いが止まって40%台半ばに回復したわけだ。否定的な評価は4.5%下がって51.6%だった。チョ長官の辞任後、中道層の離脱が止まったのが主な要因に挙げられた。リアルメーター関係者は「政治的関心が高い層の回答が相対的に多く、ギャラップの調査とは違いがあるようだ」と説明した。
大統領府は調査結果に慎重な反応を示した。ある高位関係者は記者団に対し、「支持率が上がった時や下がった時に敏感に反応し、(国政基調の)方向を変えたりするのが果たして正しいのかと思う。(支持率の変動に)一喜一憂はしない」と述べた。「議題と戦略グループ・ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は、「世論調査の結果が示すのは、チョ長官の辞任だけでは世論を良い方向に向けるのは難しいということだ。大統領府と与党のその後の対応が重要だ」と述べた。