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海洋水産部、福島汚染水の危険性を国際社会で本格的に公論化

登録:2019-10-11 06:32 修正:2019-10-11 08:21
9日に開かれたロンドン協約・議定書締約国会議で 
福島原発汚染水処理問題への懸念と関心を要請 
日本代表「進行状況を持続的に知らせる」と釈明 
中国やチリ、グリーンピースも同じ懸念を表明
ロンドン協約・議定書締約国総会に出席したソン・ミョンダル韓国首席代表(二列目の左端)=海洋水産部提供//ハンギョレ新聞社

 海洋水産部(海水部)が英国ロンドンで開かれた国際協約総会で、日本の福島原発汚染水の海洋放出の危険性を国際的に公論化した。これに対して日本は、「関連進行状況を国際社会に持続的に知らせる」方針を示した。韓国政府のこのような動きは、日本が無責任な態度を示してきた福島汚染水の放出と関連し、国際社会の関心と懸念を引き出したという点で意味がある。

 10日、海洋水産部は、7日(以下現地時間)から英国のロンドンで開かれた「ロンドン協約及び議定書締約国会議」に出席し、福島原発の汚染水の処理問題と関連して日本に懸念を表明すると共に、9日に締約国総会レベルで持続的な関心を要請したと明らかにした。今回の会議には47カ国の締約国代表や経済協力開発機構(OECD)などの国際機関、グリーンピースなどの非政府組織(NGO)が出席した。

 9日、韓国首席代表としてこの総会に出席したソン・ミョンダル海洋水産部海洋環境政策官は「最近、日本政府が福島原発汚染水の処理案として、海洋放出は避けられないと数回言及した。このように原発汚染水を海に放出する場合、地球規模の海洋環境に影響を及ぼしかねない上、ロンドン議定書の目的にも反する恐れがある」と問題を指摘した。ロンドン議定書第2条は、「締約国はすべての汚染源から海洋環境を保護・保全しなければならず、廃棄物、またはその他の物質の海洋投棄などによる汚染を防止・減少・除去するための効果的な措置を論議しなければならない」と述べた。

 ソン首席代表は「日本政府は、原発汚染水の処理手段を透明に公開し、今後の処理方法や時期などの重要事項について、隣国や国際社会と十分コミュニケーションを取り、議論を経て安全かつ合理的な案を決定しなければならない」と呼びかけた。また、「原発汚染水の処理方法において、国際社会が安全だと確信できる案を模索できるよう、ロンドン議定書締約国総会で同事案を持続的に議論しよう」と提案した。

 これに対して日本政府の代表は、「この事案は締約国総会で議論する対象ではない」という従来の立場を繰り返したうえで、「日本政府内で原発汚染水の処理方法が決まっていない。進行状況を国際社会に持続的に知らせる」と説明した。また、今年9月、日本駐在外交官たちを対象に行った原発汚染水の処理現況に関する情報提供も提供した。

今月7日からロンドンで開かれたロンドン協約・議定書締約国会議の様子=海洋水産部提供//ハンギョレ新聞社

 福島原発事故後、これまで当事国総会では原発汚染水処理問題がロンドンの議定書で論議されたことはなかった。しかし、今回の締約国会議では、韓国のほかにも中国やチリが日本の原発汚染水の海洋排出の可能性に対する懸念を示し、同事案を当事国総会で持続的に論議しようという立場を表明した。

 また、非政府組織のグリーンピースも今回の総会で「福島原発汚染水の排出計画に関する懸念と質疑」という文書を提出し、海洋放出の可能性に対する懸念を表明した。また、日本の原発汚染水処理システムが効率的でないと指摘し、国際社会が共同で解決策を模索していくべきだと提案した。

 今回の総会に先立ち、3~4日に開かれた「遵守グループ会議」でも、韓国政府はロンドン議定書の中で放射能廃棄物の海洋排出と関連した検討の必要性を強く提起し、日本が一方的に原発の汚染水の海洋放出の可否を決定しないようにするべきだと発言した。同会議は、議定書締約国の義務順守問題を論議するために設置された。

 ソン・ミョンダル首席代表は「韓国政府が主要国との2国間接触と遵守グループでの問題提起を通じて、当事国総会でこの事案を扱うべきだというコンセンサスが形成された」とし、「日本政府が安全だと確信できる案を講じるよう、今回の総会だけでなく、今後他の国際会議でも引き続き要請していく」と述べた。

キム・ギュウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/area_general/912805.html韓国語原文入力:2019-10-10 22:16
訳H.J

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