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龍山基地の平沢移転…残された韓米連合軍司令部の移転時期は?

登録:2019-09-02 06:45 修正:2019-09-02 10:26
戦作権の移管と連携し、2022年までに移転される見通しも 
在韓米軍司令部と米第8軍司令部はすでに平沢に移転 
龍山基地で行われたサービス業務は次々と終了
昨年11月2日、ソウル龍山米軍基地で開かれた「第1回龍山基地バスツアー」の参加者たちが日本植民地時代の日本軍刑務所として使われた衛戍刑務所を見ながら、ユ・ホンジュン元文化財庁長の説明を聞いている//ハンギョレ新聞社

 政府がソウル龍山(ヨンサン)米軍基地の返還手続きを年内に開始すると発表したことで、韓米連合司令部の平沢(ピョンテク)基地(キャンプ・ハンフリー)への移転が繰り上げられる見込みだ。現在、龍山基地では米軍のサービス施設が続々と閉鎖されており、来年からは韓米連合軍司令部と米軍の宿舎として使われているドラゴンヒル・ホテルだけが残る。在韓米軍司令部は昨年6月に、米第8軍司令部はそれより1年ほど早い2017年7月に、それぞれ平沢基地に移転した。

 韓米連合軍司令部の移転は、文在寅(ムン・ジェイン)政府任期中に行われると予想される戦時作戦統制権(戦作権)の移管に合わせて時期が決まるというのが、大方の予想だ。軍関係者は1日、「戦作権の移管が行われれば、朝鮮半島有事の際、韓国軍大将が司令官を務めるいわゆる未来連合司令部の構造が作動する」とし、「それに合わせて、韓米連合軍司令部と在韓米軍の作戦効率性を強化する必要がある」と述べた。韓米は最近実施した下半期の合同指揮所演習で、韓国軍の基本運用能力(IOC)を検証したのに続き、2020年に完全運用能力の検証を、2021年には完全任務遂行能力の検証を行う予定だ。

 韓米連合軍司令部の移転の核心は作戦センターの構築だ。連合軍司令部がきちんと機能するためには、ハワイのインド太平洋司令部と日本の横田在日米軍司令部を結ぶこの作戦センターが必要であるからだ。国防部関係者は「作戦センターは連合軍司令部の頭脳にあたる」としたうえで、「作戦センターの構築過程で費用と日程が増える可能性があり、今のところは連合軍司令部の移転時期を確定できない」と述べた。

龍山基地内のサウスポストのドラゴンヒル・ホテル//ハンギョレ新聞社

 韓米連合軍司令部は一時、龍山にある国防部の領内に移転する案が進められたが、今年6月、韓米防衛相会談で、平沢基地に移すことで最終合意した。当時、米国は龍山に連合軍司令部が残る場合、米軍家族の居住に困難が生じ、平沢基地との連携が難しくなるという点を指摘したという。韓米連合軍司令部は、平沢基地に新たに建物を建てず、既存の建物に入る予定だという。連合軍司令部への移転日程は、10月末または11月初めにソウルで開かれる第51回韓米安保協議会議(SCM)で具体化されるものとみられる。

 在韓米軍司令部と米第8軍司令部が平沢に移った後、龍山基地では米軍に対するサービス業務が次々と終了している。映画館がすでに7月に閉館し、現役と予備役を対象に生活の転換支援プログラムを提供する龍山事務所も8月末に閉鎖された。陸軍病院診療業務と洗濯所の運営も来月1日に終了する。龍山基地内にあるソウル・アメリカン小中高校は2018~2019年課程を最後に、廃校が決まった。

 韓米が龍山基地の返還手続きに着手しても、実際返還されるまでには相当な時間がかかると予想される。当初、政府は2019年から龍山基地一帯の土壌に対する浄化作業を開始し、2022年から本格的な公園の造成に入り、2027年までに工事を終わらせるという計画を立てていたが、環境汚染浄化費用などに対する意見の相違で協議が行われなかった。国防部関係者は「龍山基地の返還手続きを開始しても、返還計画の樹立や環境調査および環境協議、汚染浄化などの手続きを踏まなければならない」とし、「龍山基地の返還までは越えなければならない山が多い」と述べた。

ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/907981.html韓国語原文入力:2019-09-01 20:36
訳H.J

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