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“禁断の土地” 龍山基地、114年ぶりの開放

登録:2018-11-02 22:58 修正:2018-11-03 07:31
政府・ソウル市が基地内バスツアーを開始
ソウル市龍山区梨泰院洞から見下ろした龍山米軍基地一帯=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 114年間、一般人が入れなかった“禁断の土地”龍山(ヨンサン)米軍基地がついに姿を現わす。

 国土交通部とソウル市は2日、龍山米軍基地内の主な場所をバスで見て回る「龍山基地バスツアー」を始めた。この行事は、今年末まで合計6回行われる。9キロメートルのコースで構成されたバスツアーは、基地内の歴史的・文化的に意味ある場所を見て回ることになる。

ソウル市が2日、龍山米軍基地内の主な場所をバスで見て巡る「龍山基地バスツアー」を始めた。左上の写真から時計回りに、バスツアーコースの一つである龍山米軍基地内旧兵器廠、韓米連合司令部、韓米合同軍事業務団、南壇=国土交通部提供//ハンギョレ新聞社

 この日のツアーは、龍山基地14番ゲートを入りSPバンカー(日本軍作戦センター)→121病院(総督官邸跡)→衛戍監獄(日本軍監獄)→屯芝山(トゥンジサン)頂上→在韓米軍司令部→韓米合同軍事業務団→日本軍兵器廠→ドラゴンヒルホテルへと移動するコースで構成された。

 参加者は、主な拠点で下車して公園の造成方針などについて説明を聞き、公園造成に対する意見も述べることになる。龍山米軍基地は、1904年に日帝が露日戦争を基点に龍山一帯を朝鮮駐箚(ちゅうさつ)軍司令部の駐屯地として使った以後、日本軍に続き米軍が駐留し、一般人の出入りが禁止された。

 政府は、2005年から龍山基地を国家公園にする方案を推進してきた。今年6月、駐韓米軍司令部の平沢(ピョンテク)移転を契機に、龍山基地に対する国民の関心が高まったが、まだ米軍が使用中の軍事施設という理由で今まで国民が基地に直接入れる機会はなかった。

 バスツアーは、米軍の敷地返還以前にも国民が龍山基地を直接体験する機会を提供するために用意された。この日開かれた第1回目のツアーは、龍山基地に対する国民の関心を喚起するために、キム・ヒョンミ国土部長官など政府関係者とパク・ウォンスン・ソウル市長、専門家、市民などが参加した。第1回ツアー以後、11月には龍山基地敷地および公園造成に関連する専門家と地域住民を招請して、8日、16日、30日の3回にかけてツアーを実施し、12月には一般国民を対象に7日と14日の2回ツアーを実施する計画だ。

 龍山米軍基地は、昨年7月に米8軍司令部の平沢移転を始め、今年6月には平沢基地に在韓米軍司令部が開所するなど移転が継続進行している。今後、龍山米軍基地内のすべての施設の移転が完了すれば、敷地返還交渉、環境調査などの手順を踏んで基地の返還が段階的に推進される。

 キム・ヒョンミ長官は「バスツアーは、100年余りの間堅く閉ざされていた龍山基地の土地を直接目で確認し体験する意味ある機会」として「これを契機に、龍山公園が自然、歴史、文化的要素が交わる初の国家公園になれるよう、国民が多くの関心を持って応援することを願う」と話した。バスツアーの参加申し込みは12~20日に龍山文化院(ysac.or.kr)のホームページを通じて受け付ける。

チェ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/868579.html韓国語原文入力:2018-11-02 20:28
訳J.S

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