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第3回釜山クィア文化フェスティバル中止…「海雲台区は嫌悪勢力を傍観」

登録:2019-08-20 09:21 修正:2019-08-20 16:32
フェス企画団「クィア文化フェスのみ道路占用不許可」 
「海雲台区、企画団長を刑事告発し過料の賦課も」 
 
「人権条例から『性的志向』という字句を削除するなど差別行為」 
「『同性愛は障害』と述べた区議員、「外部圧力が存在する」
今年秋に開かれる予定だった第3回釜山クィア文化フェスティバルが、海雲台区側の道路占用不許可の決定で中止となった=釜山クィア文化フェス企画団//ハンギョレ新聞社

 秋に開催予定だった第3回釜山クィア文化フェスティバルが、釜山市海雲台区(ヘウンデグ)の頑強な反対で取り消された。フェス企画団側は19日、「海雲台区庁が今年もクィア文化フェスティバルに道路占用許可を与えなかった」とし、「そのまま進めた場合『行政代執行を行う』と圧迫するなど、フェス参加者や企画団の安全が懸念され、中止とせざるをえなかった」と明らかにした。企画団は20日、海雲台区庁を糾弾する記者会見を開く。

 企画団は、区役所の道路占用不可の決定が「性的マイノリティの人権を差別、弾圧する意図」だと批判した。海雲台区側は、釜山クィア文化フェスティバルが初めて開かれた2017年から一度も道路占用を許可しなかった。歩行者が通る海雲台のクナム路でフェスティバルを開くには、集会申告だけでなく道路占用許可まで受けなければならないと要求し、安全を理由に許可を与えなかったのだ。しかし、企画団側は「二回のフェスティバルはいずれも警察とよく協力し、安全事故は発生しなかった」とし、「昨年クナム路では一日2万人以上が参加した『釜山世界マジックチャンピオンシップ』のイベントが開かれたりもしたが、クィア文化フェスティバルだけを不許可にしている」と口をそろえた。海雲台区庁は昨年、道路占用不可の決定にもかかわらずフェスティバルを強行したとし、釜山クィア文化フェスティバル企画団長を刑事告発し、過料を賦課した。企画団関係者は「2017、2018年すべて適法な集会申告の手続きを経て行事を進めた」と反論した。

 企画団側はまた、このような決定が「一部の保守的キリスト教団体など嫌悪勢力によるフェスティバル妨害を傍観する巧みで政治的な差別行為」だと見なした。昨年、海雲台区議会が人権条例の「包括的差別禁止条項」を削除する改正案を成立させたのと同じ脈絡だという話だ。海雲台区は昨年2月、「区民は、合理的な理由なく性別、宗教、障害、年齢、社会的身分、出身地域、出身国、出身民族、容貌など身体条件、軍服務歴、婚姻の有無、政治的意見や性的志向などを理由に差別されない」と明示した「人権増進条例」第5条を「区民は、自らが人権が尊重される地域社会を実現する主体であるという点を認識し、人権意識の向上に努力し、区が遂行する人権施策に協力しなければならない」と改定した。「性的志向」という字句を削除するためだ。

 実際、チェ・ヨンゴン区議会議員は当時、本会議で「この条例(人権条例)は同性愛と関連した条例で、執拗に外部の圧力が存在する。われわれ議員は票を意識する立場にいる人間だから、その部分も考えざるを得ない」と明らかにし、「私は同性愛には個人的に反対する。同性愛というのは一つの生まれつきの障害の部分があるということ」と差別的発言を迷わず発した。同年4月、釜山水営区議会も「性的志向」を理由に差別しないという内容を人権条例から削除した。

 企画団は「自治体と議会、教会が癒着して性的マイノリティの人権を弾圧する試みが今も進行されている。差別と嫌悪を助長する雰囲気が釜山全般にわたって根深く形成されてきた」とし、「(海雲台区でなくとも)フェスティバルの開催に協力できる、性的マイノリティに対する人権感受性を持っている管轄区役所も存在しなかった」と明らかにした。企画団は今回の不許可決定について、法律的対応等を検討する計画だ。

パク・ダヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/906219.html韓国語原文入力:2019-08-19 20:53
訳C.M

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