1日、カン・ギョンファ外交部長官がタイのバンコクで河野太郎日本外相に会い、「(ホワイト国から韓国を排除する措置を止めるよう)明確に要請した」として「(排除措置が強行される場合)両国関係に及ぶ厳重な波紋についても明確に話した」と明らかにした。だが、日本が予定通り2日に閣僚会議を開き、関連法案を通過させると展望される状況であり、事実上外交チャンネルで接点を探すことは難しく見える。韓日外交長官の今回の出会いは、韓国最高裁(大法院)の強制徴用賠償判決以後の先月4日に日本が対韓国輸出規制措置を取って以来初めてだ。
第26回アセアン地域安保フォーラム(ARF)外交長官会議など、アセアン関連会議に参加するため31日からタイのバンコクを訪問中のカン・ギョンファ長官がこの日、バンコク・センタラ・グランドホテルで河野外相に会い、対韓国輸出規制措置を撤回し、特にホワイトリスト(安保上の輸出審査優待国家)から韓国を除く日本政府の法令改正推進を止めるよう強く求めた。そうでない場合には韓国が今月末が期限の韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)を再延長しない可能性も示したという。この日の会談では、北朝鮮の新型短距離弾道ミサイルの試験発射などと関連した問題や、ロシアの独島(ドクト)領空侵犯に再触発された独島領有権問題に対する議論はほとんどなかったという。
この日カン長官は、河野外相と韓日外交長官会談を終えた後に記者たちに会い、日本の反応と関連して「それ(韓国側の要求)については確答がなかった」と話した。会談の進行状況に精通した外交部当局者は「(日本の立場に)大きな変化はなかった」として「両側間の間隙がまだ相当にある。韓国側では、ホワイトリストから韓国が除外される場合、現在よりはるかに関係が難しい状況に置かれうるという点について、深く憂慮されるという点を強く伝達した」と説明した。続けて「日本の経済産業省などの関係機関が、この問題の解決のためにより積極的に出なければならないという点も伝えた」と付け加えた。現在、ホワイトリスト排除措置など一連の経済報復措置は、日本の首相官邸と経済産業省の主導でなされている状況なので、韓国と協議した日本の外務省が首相官邸側を説得するよう促したのだ。
だが、日本が実際に態度を変える可能性は低く見える。日本が強制徴用賠償問題と関連して、韓国政府に対し企業資産の売却延期などを要請したかについては「日本側の原則的な立場表明があった」として言葉を慎んだ。外交部当局者は「日本が8月2日の閣議決定をすでに上程し推進している。強行する可能性が相当に高いと見ている」として「日本側に自制、中断を促すメッセージをくりかえし発信してきたが、それにもかかわらず、どんな反応を見せるのか予断はできないが、現時点では非常に状況が容易ならざる状況だ。具体的に話す訳には行かないが、既存の立場から全般的に大きく変化したことはなかったと見れば良い」と説明した。
日本政府は、韓国企業と日本企業が強制徴用被害者に賠償する韓国政府の「1+1案」を受け入れられないという立場を取ってきたし、この日も変化はなかったという。外交部当局者は「強制徴用判決問題と関連して、日本が話してきたことがある」として「そのような立場で全般的に返事をしたと見れば良い」と話した。外交部当局者は「韓国がちゃんとした解決法を持ってこない限り、日本が経済措置を撤回するつもりはないと言ったか」という記者の問いに「そう理解して良さそうだ」と話した。
日本の措置に対応するために、韓国政府は今月末のGSOMIA破棄まで検討しているという。実際、この日の会談でもGSOMIAに関する議論があったという。カン・ギョンファ長官は「明日(2日)の閣議決定で(ホワイトリストからの韓国排除)決定がなされるならば、私たちとしても必要な措置、対応を講じざるをえない。日本は、輸出規制措置の理由として安保上の理由を挙げているが、韓日安保の枠組みで色々な要因を私たちも考慮せざるをえないという話だ」と、日本がホワイトリスト排除を強行する場合、GSOMIAカードを取り出す可能性を表わした。カン長官は「(河野外相に)韓日安保協力の枠組みに影響がありえるという話をした」と説明した。
カン長官は、米国が韓日軋轢と関連して「紛争中止協定」(standstill agreement)に合意することを促したという外信報道と関連して、記者たちに「色々な記事があると承知している」として「(米国の)仲裁以前に韓国側から、この輸出規制問題、また韓日間の強制徴用判決問題について協議して作り出せる、そのような時間的余裕が必要だ」、「通商上の問題がある国家間では、協議を通じて解決を図るべきで、そうした努力ができる時間と余地が必要だという点を明確に話した」と答えた。追加的な措置を止め、対話を通じて協議を継続しようとの趣旨の米国側の提案を韓国は受け入れる意向があるので、日本も呼応せよとの趣旨と読まれる内容だ。ただし、実際の韓日外交長官会談では、米国の“仲裁案”が具体的に議論されはしなかったという。