南北米首脳の歴史的な板門店(パンムンジョム)会合で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に随行した人物たちは、2月のハノイ朝米首脳会談後、北朝鮮の内部体制整備の結果と政策の方向性を占う試金石になりうる。
主な関心事である外交ラインでは、リ・ヨンホ外相、チェ・ソンヒ外務省第1次官、キム・ソンナム労働党国際部第1副部長が30日、金委員長に随行して板門店に出てきた。これまで南北・朝米首脳会談の過程で金委員長の代理人の役割をしてきた金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委副委員長は姿を見せなかった。リ・スヨン労働党外交担当副委員長も、随行したかどうか確認されなかった。今後、対米交渉の過程で「リ・ヨンホ-チェ・ソンヒライン」の浮上と金英哲副委員長の退場の可能性を示唆している。
金委員長の唯一の肉親であり、事実上の「秘書室長」と呼ばれ、最近地位がさらに高くなったという評価が多い金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会第1副部長もすぐ隣で随行した。金委員長の側近と呼ばれるチョ・ヨンウォン労働党組織指導部第1副部長は、板門店での会合の間じゅう金委員長のすぐそばで付き添った。
注目すべき対象は、チョ・ヨンウォン第1副部長とともに金委員長のすぐそばで随行した「姓名が公式確認されていない1人」だ。外見がこれまで公開の席上に姿をあらわさなかったチャン・クムチョル新労働党統一戦線部長と似ているためだ。ただし、「北朝鮮の人物鑑識」に詳しい消息筋は「外見が似ているが、チャン・クムチョル統一戦線部長だと公式に確認する段階ではない」と余地を残した。
金委員長の以前の首脳外交の時、儀典と警護を担当したキム・チャンソン国務委員会部長、キム・チョルギュ護衛司令部副司令官も随行した。中国の習近平国家主席の訪朝(20~21日、平壌)の時から儀典を担当したヒョン・ソンウォル三池淵管弦楽団長兼労働党宣伝煽動部副部長は、この日も金委員長の動線などを準備するために奔走した。
金委員長の英語通訳は新しい「外務省所属の男性の通訳官」が務めた。2017年、米国のバスケットボール選手のデニス・ロッドマンの訪朝のときに通訳をした人物で、名前は確認されなかった。ハノイでの第2回朝米首脳会談の時、「通訳瞬発力」が落ちるという評価を受けたシン・ヘヨン氏は見当たらなかった。