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国情院「北朝鮮統一戦線部長、金英哲からチャン・グムチョルへ」

登録:2019-04-25 05:46 修正:2019-04-25 07:55
チャン・グムチョル、昇進直前には統戦部副部長を歴任 
民和協・ア太委で民間交流業務を担当 
非核化交渉、外務省が主導する見込み 
「米国には『ポンペオ交代』のメッセージ 
韓国政府にとっても南北チャンネルの再整備が課題に 
金英哲が失脚したと見ることは難しい」
北朝鮮の最高人民会議後、新たに選出された国務委員が金正恩国務委員とともに撮った記念写真。後列の中央が金英哲労働党副委員長。金副委員長は最近、統一戦線部長から退いたという//ハンギョレ新聞社

 昨年から北朝鮮の対米・対南業務を総括していた統一戦線部長が、非核化をめぐる朝米高官級交渉を担当してきた金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長からチャン・グムチョル朝鮮アジア・太平洋平和委員会委員に電撃的に交代されたという。

 国会情報委員長の正しい未来党のイ・ヘフン議員は、24日に行ったハンギョレとの電話インタビューで、国家情報院(国情院)からこのような内容の報告を受けたと明らかにした。昨年から三回の南北首脳会談と二回の朝米首脳会談、四回の朝中首脳会談に深くかかわってきた金英哲統一戦線部長の交代は今後、米国や韓国など相手国の交渉戦略や人的整備にもかなりの影響を及ぼすものと予想される。

 統一戦線部長の交代は、北朝鮮内部における対外業務の調整によるものと見られる。新たに統一戦線部長となったチャン・グムチョルは50代後半で、民族和解協議会(民和協)とア太委で、民間交流関連業務を担当しており、部長に昇進する直前に統一戦線部副部長を歴任したという。しかし、非核化交渉や統一戦線部内の情報ライン業務とは距離がある人物とされる。このため、政府消息筋は「対米関係から手を引き、対南関係だけに集中する方向で、統一戦線部の業務が調整されたようだ」と説明した。

 このような理由で、多くの専門家は、非核化交渉の主導権が統一戦線部から外務省に移ったと見ている。国家安保戦略研究院のチェ・ヨンファン安保戦略研究室長は「非核化交渉が韓国の国家情報院や北朝鮮の統一戦線部、米国の中央情報局を中心に行われたのが異例だった」とし、「結局、外務省側に交渉の主導権が移らざるを得ない状況だった」と説明した。

 非核化交渉の前面に登場したチェ・ソンヒ第1次官、リ・ヨンホ外相ら外務省ラインの代表的な人物たちは、長い間「敵対国家」だった米国に対し、強硬な態度を維持する一方、北朝鮮の核問題と平和体制の懸案に密接にかかわってきたという点で、米国との専門的な交渉が可能という側面もあると、専門家らは分析した。米国側はこれまで、金英哲統一戦線部長とは交渉が難しいという不満を示してきた。

 金英哲の交代は最近、北朝鮮が朝米交渉の米国代表窓口をマイク・ポンペオ国務長官から別の人物への交代を要求したことと関係があるものと見られる。統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室長は「ポンペオの交渉相手だった金英哲を替えたのは『ポンペオを替えろ』という強力なメッセージ」だと分析した。韓国政府も、統一戦線部-国情院ラインを中心とした南北間疎通チャンネルを再整備する課題を抱えることになった。

 金部長は24日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の初めてのロシア訪問にも同行していないと見られており、最近、北朝鮮の主な政治的行事にも相次いで欠席した。このような理由で、金英哲部長の交代に、第2回朝米首脳会談の合意が見送られたことに対する問責の性格があると分析する専門家もいるが、彼が党副委員長と閣僚の地位を維持しており、失脚と判断することは難しいというのが国情院の見解だ。

パク・ミンヒ、キム・ジウン、チャン・ナレ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/891397.html韓国語原文入力:2019-04-24 21:38
訳H.J

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