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「粛清」金英哲に続き、「謹慎」金与正も健在確認される

登録:2019-06-05 06:04 修正:2019-06-05 07:26
3日「大集団体操と芸術公演-人民の国」開幕公演に出席 
金正恩国務委員長夫妻の隣に着席
4月12日の最高人民会議以降、公式行事に登場しなかった金与正労働党中央委員会第1副部長(左から2番目)が3日、「大集団体操と芸術公演-人民の国」の開幕公演の主席団に姿を現した//ハンギョレ新聞社

 金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委員会副委員長に続き、金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会宣伝扇動部第1副部長が、53日ぶりに公式行事に登場した。4月12日の最高人民会議に出席して以来、長期にわたり姿を現さなかったことで、金与正第1副部長をめぐり飛び交っていた「謹慎説」や「健康異常説」などの噂も沈静化する見通しだ。

 労働党中央委機関紙「労働新聞」は「大集団体操と芸術公演『人民の国』が3日(平壌の綾羅島)5月1日競技場で開幕した」とし、この開幕公演に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長夫妻とともに金与正第1副部長が出席したと、1面の全面記事で報道した。

 「朝鮮中央通信」が公開した写真をみると、金第1副部長は金委員長夫妻の隣に座っている。金与正第1副部長が公式行事でファーストレディの李雪主(リ・ソルジュ)夫人の隣に座ったのは今回が初めてだ。主席団の配置を見る限り、金1副部長の権力内部の地位がむしろ以前より高くなった可能性もある。ただし、統一部当局者は「座席配置と呼名の順序などが政策決定過程における役割と必ずしも一致するわけではない」として、評価を留保した。

 金英哲党副委員長も開幕公演主席団に姿を現し、2日連続公式行事に登場した。

4月12日の最高人民会議以降、公式行事に登場しなかった金与正労働党中央委員会第1副部長(左から2番目)が3日、「大集団体操と芸術公演-人民の国」の開幕公演の主席団に姿を現した=平壌/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 金英哲副委員長に続き、金与正第1副部長が長い“空白”を破って相次いで公式行事に姿を現したことで、北朝鮮がハノイで開かれた第2回朝米首脳会談で合意が見送られて以来、統一戦線部の検閲を含めた政策の再検討過程を終わらせたか、終了局面に至ったのではないかという見通しも示されている。

 「労働新聞」によると、金正恩委員長は「公演が終わった後、大集団体操と芸術公演の創造成員を呼んで、作品の内容と形式について指摘し、彼らの誤った創作創造の気風や無責任な取り組み方について厳しく批判した」という。「労働新聞」はさらに、金委員長が「党の革命的な文芸政策を正確に執行し、貫いていく上で、重要な課題を示した」とは報じたが、具体的にいかなる内容と形式を問題視したのかについては明らかにしなかった。金委員長の批判的指摘により、10月中旬まで公演予定だと予告された「人民の国」の内容と形式に少なからぬ変化が予想される。「大集団体操と芸術公演」はスタンドのカードセクション団を含め、多ければ10万人前後まで出演する世界最大の規模であり、北朝鮮特有の集団芸術だ。昨年9月18日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が平壌(ピョンヤン)市民の前で演説するきっかけとなった「輝く祖国」や2000年代半ばに韓国の市民たちも平壌で観覧した「アリラン」、2000年の「百戦百勝朝鮮労働党」などが代表作だ。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/896543.html韓国語原文入力:2019-06-04 21:07
訳H.J

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