ロシアを訪問中のカン・ギョンファ外交部長官が、マイク・ポンペオ米国務長官と16日(現地時間)夜に行った電話会談で、今月末に予定されたドナルド・トランプ米大統領の訪韓とオマーン海上で発生したタンカー攻撃事件について協議を行ったと、外交部が17日に明らかにした。
外交部は17日、報道資料を発表し、両長官が約15分にわたって「トランプ大統領の訪韓および朝鮮半島情勢などを含めた相互関心事について、意見を交換した」と明らかにした。今回の電話会談で、両長官は、6月末のトランプ大統領の訪韓が、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和定着および韓米同盟の強化案について議論する重要な機会になるだろうという認識を共にし、これと関連して韓米外交当局間で緊密に協議を続けることにしたと、外交部は発表した。
トランプ大統領は6月28~29日に大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議直後の29日に訪韓し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と首脳会談を行う予定だ。両長官の同日の電話会談は、文大統領の北欧歴訪が終わったことを受け、トランプ大統領の具体的な訪韓日程と首脳会談の議題などと関連して、これまで実務レベルで行われてきた議論を高官級に引き上げて協議したものと言える。トランプ大統領の訪韓日程はまだ確定発表されていないが、1泊2日の日程になる可能性が高い。
4月11日(現地時間)にワシントンで開かれた韓米首脳会談に続き、両首脳は今回も、ハノイで開かれた第2回朝米首脳会談以降膠着状態に陥った朝米対話のモメンタムを維持する案を模索することに集中する見通しだ。さらに、先の会談で両首脳が言及した韓国の北朝鮮に対する人道支援事業の進行状況に対する評価を共有する一方、対北朝鮮制裁の維持方針も確認するものと見られる。トランプ大統領は、4月の首脳会談では防衛費分担金問題を具体的に取り上げなかったものの、現在米国が同盟国との分担構造を全面的に見直す過程にあり、(この問題について)どのように言及するかは未知数だ。
最近、オマーン海域で発生したタンカー2隻への攻撃事件に関する議論も、両長官の同日の電話会談で主要議題として取り上げられたものと見られる。
外交部は両長官が今回の電話会談で、「最近オマーン海域で発生したタンカー攻撃事件などの中東情勢を含め、さまざまな懸案に対する韓米間の緊密な協議の必要性に共感し、これと関連して随時疎通・協議していくことにした」と明らかにした。
しかし、ポンペオ長官が同日、米国CBS放送の「フェイス・ザ・ネイション」に出演して行った発言からは、両長官の電話会談で同事件についてかなり緊密な対話が交わされたことがうかがえる。ポンペオ長官は、イランと戦争を望まないとしながらも、軍事的対応の可能性を排除せず、海外指導者らと「昨日、数回電話会談を行っており、今日もさらに多くの通話会談を行う予定だ。全世界が団結しなければならない」と述べ、注目を集めた。
特に、彼は「中国の場合、80%以上の原油をホルムズ海峡を通じて輸送しており、韓国と日本のような国々もこれらの資源に大きく依存している」としたうえで、「我々は我々の役割を果たす準備ができている。我々は常に航行の自由を守る。我々は引き続きあの(ホルムズ)海峡を開かれたものにすることに深い関心を持っている国々を拡大し、我々がそのことを進めていくうえで協力していく」と明らかにした。韓国や中国、日本など、この地域の原油依存度の高い国家を「ホルムズ海峡における自由航行の保障」キャンペーンに参加させようという意図が込められた発言と言える。米国はオマーン海域で起きたタンカーへ攻撃事件の黒幕がイランだとして、世界を相手に“反イラン”世論戦を繰り広げている。