高校の先輩であるカン・ヒョサン自由韓国党議員に、韓米首脳の電話会談の内容を漏洩した駐米大使館所属の外交官のA氏に対する外交部の内部処理手続きが27日正式に始まった。A氏は、カン議員が該当内容を公開するとは思わず、深く反省していると釈明しているというが、外交部は今週中にA氏に対する懲戒の可否とそのレベルを決める方針だ。
外交部は同日夕方、ソウル鍾路区(チョンノグ)の政府ソウル庁舎別館(外交部庁舎)でチョ・セヨン外交部第1次官が委員長を務めた保安審査委員会を開き、1時間にわたってA氏の秘密漏洩事件を審議した。審査委では、A氏の懲戒処分のレベルをはじめ、A氏に対する監督責任をどこまで問うべきかなども話し合われたという。前日帰国したA氏も保安審査委員会に出席した。
外交部は保安事故が発生した場合、保安業務規定の施行細則に従って、保安担当官の調査内容をもとに保安審査委で事件を審議した後、懲戒委員会への付託および懲戒要求のレベルを決める。保安審査委は委員長の第1次官と副委員長の企画調整室長など10人の幹部陣で構成される。
これに先立ち、同日午前、チョ次官は記者団に「高級公務員としてあるまじき綱紀の緩みであり、違法行為だと判断している」とし、「外交的な波紋が大きなイシューであるだけに、速やかに決着をつけるべきだと考えている」と述べた。カン・ギョンファ長官も同日午前に対策会議を開き、「温情主義を前面に出してはならない」と求めたという。
A氏に対する処分は30日に開かれる外交部懲戒委員会で決定される予定だ。中央人事委員会の付託対象ではないため、A氏に対する処分は今回の懲戒委員会で確定される。A氏は3級機密に分類された5月7日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の電話会談の内容を、カン・ヒョサン議員に伝えた疑いを持たれているだけに、罷免や解任、停職など重い懲戒を免れないものとみられる。外交部は調査結果によって、駐米大使館で閲覧権限のない職員たちに該当内容を閲覧するようにした当事者に対する処理手続きも進める見通しだ。さらに、直接業務との関連性が少ない職員らの閲覧をめぐる処分の可否について議論するものと見られる。カン議員は、A氏から聞いた韓米首脳の電話会談内容を9日の記者会見で公開した容疑で、検察に告発された状態だ。
一方、A氏は釈明過程で「カン議員が首脳間の電話会談内容を公開するとは思わなかった。抗議のため、カン議員に電話したが、出なかった」と述べたという。また「会談内容の漏洩は過ちであり、深く反省している」という立場を示したという。「JTBC」は実際にデジタル・フォレンシックの結果、カン議員が9日に関連記者会見を開いた直後、A氏がカン議員に数回連絡した痕跡が見つかっており、同日夜、カン議員がA氏に電話をかけた後、A氏が通話履歴を削除したと報道した。