大韓仏教曹渓宗が5月12日、釈迦生誕日(旧暦4月8日)の法要式で仏教儀式に従わなかったファン・ギョアン自由韓国党代表に対し深い遺憾の意を示した。
曹渓宗宗教平和委員会は22日、報道資料を発表し「ファン代表が信じて従う宗教と信仰生活を尊重する」とし、「ただし、ファン代表が自ら法要式に出席したのは自然人としてのファン・ギョアンやキリスト教徒としてのファン・ギョアンであるためでなく、巨大政党の代表として、指導者として参加したことが明らかであるにも関わらず、個人の考えと立場ばかりに固執する姿を見せたため、社会的議論になった」とした。さらに宗教平和委員会は「ファン・ギョアン代表の態度は、単なる宗教の問題を越え常識と合理性、尊重と理解が備わっていない態度であるため、深い憂慮を示さざるをえない」と述べた。
宗教平和委は「ファン代表が合掌と観仏の儀式を拒否したとして、すべてのマスコミが記事化し議論になった」とし、「皆が一緒に祝い喜ぶ日にこのようなことが起きたことに対し、仏教界としては非常に残念だ」としてこのように明らかにした。
曹渓宗宗教平和委はファン・ギョアン代表に、今回の釈迦生誕日の法要式で発表された宗正猊下の奉祝法語に耳を傾けるべきだと述べた。「地球のいたるところで、排他的宗教と極端な理念によりテロと紛争は日々増えています。恨みと報復ではこの問題を解決することはできません。地球の真なる平和は、いかなる武力や絢爛な政治や、ある一つの理念で可能なものではありません」。宗教平和委は法語に出てきた「排他的宗教と極端な理念でテロと紛争が発生し得る状況」で、ファン・ギョアン代表はどのような原則と基準を持つのか明確にするよう求めた。
宗教平和委は「もしこのような状況で、人を尊重し理解し包容するよりも、自分だけの信仰を最優先しようとするならば、公党の代表職を辞め自然人に戻り篤実な信仰者として個人の暮らしを繰り広げていくことが、むしろファン・ギョアン代表個人のための幸福の道になる」と主張した。
宗教平和委は「多様性の範疇で互いに異なる立場と見解を尊重し理解しようとする姿勢がいつになく求められる時期」だとし、「政治家、特に指導者こそこうした姿勢をもっとも実践しなければならない当事者」だと強調した。そして「社会統合、さらには朝鮮半島の平和を実現しなければならない責務を、いまの時代の指導者たちは負っている」とし、改めてファン代表に「指導者としての姿勢に対して深く参究せよ」と勧めた。