韓国と米国の首脳が人道的次元の対北朝鮮食糧支援の必要性に共感し、大統領府と韓国政府が8日、具体的方案の準備に着手した。2月に行われたハノイでの2回目の首脳会談の後、膠着状態に陥った朝米対話を食糧支援を媒介に再開しようという韓・米首脳の意志が反映されたものと分析される。
ドナルド・トランプ大統領は前日夜、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との通話で「韓国が人道的次元で北朝鮮に食糧を提供することは、非常にタイミングも適切で肯定的措置になるだろうと評価し支持する」と話した。両首脳は、最近世界食糧計画(WFP)と国連食料農業機関(FAO)が発表した北朝鮮の食糧不足実態報告書に関して意見を交わし、人道支援の必要性に共感したという。両機関は、今年北朝鮮で159万トン程度の食糧が不足すると見通した。米国は、これまで医薬品などきわめて一部の品目を除き、食糧などを支援することには否定的だったが、「対北朝鮮圧迫と人道支援を連係させるな」という国際社会と人道支援団体の要求に負担を感じてきたという。
両首脳の意思が確認されたことにより、大統領府と政府は人道的な食糧支援を公式化し、実行方案の準備に入った。大統領府の核心関係者は「どんな品目をどんな方法でどれくらい支援するかなど、すべての事案の議論に入らなければならない段階なので、まだ確定したことはない」とし、「二つの国連機関が(北朝鮮の)子どもと家族が現在の厳しい時期を耐えられるよう助けるべきだといっただけに、私たちもそのように把握している」と明らかにした。彼は「国際機関を通じて支援するのか、(韓国が)直接支援するのかなども議論が必要な部分」と付け加えた。
イ・サンミン統一部報道官も「国際社会と緊密に協力して北朝鮮の住民に対する人道的な食糧支援を推進していく」と話した。政府は、支援の過程で国際社会との協力はもちろん、朝鮮半島周辺関連国との共感形成に努力を傾ける方針だ。
大統領府と政府は、食糧支援を契機に朝米非核化対話の糸口が見つかることを期待している。特に、4日に韓・米が北朝鮮の短距離飛翔体の発射に節制された反応を出したのに続き、人道的次元の食糧支援まで再開し、北朝鮮に対話のテーブルへの復帰を説得する名分を確保したというのが大統領府側の判断だ。大統領府関係者は「いま最も重要なことは、南北米間の対話の動力を維持すること」とし「北朝鮮の期待には不十分だろうが、現実的なアプローチで今後の対話の糸口を見つけるという意味がある」と話した。
一方、この日訪韓したスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表は、イ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長と大統領府関係者らに会い、対北朝鮮食糧支援問題を議論するものと見られる。