「ハノイ(朝米首脳会談)以後に交渉を再開し、さらに成功させるためには創意的解決法を用意しなければならないようだ」
8日、次期統一部長官に指名されたキム・ヨンチョル前統一研究院長(以下、統一部長官候補者)はこの日午後、ソウル市鍾路区(チョンノグ)三清洞(サムチョンドン)の南北会談本部で記者たちと会い、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が強調した新朝鮮半島体制を実現するために最善の努力を尽くすつもりだ」とし、このように話した。この日午前、文大統領は7部署に対する改閣を断行し、次期統一部長官にキム候補者を指名した。
この日、キム候補者は「難しい時期に重責を引き受け荷が本当に重い」と述べ、「対北朝鮮政策の推進過程で合意と共感がどれほど重要かをよく知っている。今後、積極的に疎通して知恵を求める」と話した。さらに「超党派的な協力のみならず、世代間の対話も積極的に推進するつもりだ。優先的には聴聞会の準備を忠実かつ誠実にしていく」と付け加えた。
キム候補者は「米国務省が金剛山(クムガンサン)観光、開城(ケソン)工業団地に対する制裁免除を検討しないと話したが、これについてどう思うか」という記者の問いに「詳しい内容は私が…聴聞会の準備ができるように助けてくれればありがたい。今後も頻繁に会うだろう」とし、言葉を控えた。「自由韓国党が欠格事由を言いながら左偏向人物だと批判していることに対する考え」を問われると、「そのような部分に対しても(聴聞会で)しっかり説明する」と答えた。「27~28日ベトナムのハノイで開かれた2回目の朝米首脳会談をどのように評価するか」という問いには「現在の統一部の評価と大きく変わらない」と答えた。
この日、記者たちはキム候補者に北朝鮮が2回目の朝米会談で要求した制裁緩和と関連した問いも投じた。ある記者が「(候補者は)制裁の有用性について懐疑的だった。制裁緩和についてどう思うか」と尋ねると、キム候補者は「いずれにしても私が(候補者指名前に)専門家として話したこととか、そのような部分については、公職候補として検討しなければならない部分があるようだ。少し時間をもらえればより詳しく話せると思う」と答えた。「現段階で金剛山観光や開城工業団地の再開が可能なのか」を問う質問には「努力しなければならない」と答えた。
キム候補者は1996年「北朝鮮の産業化過程と工場管理の政治学」をテーマに成均館大学で博士学位を受けた。今は休職状態だが、仁済大学統一学部教授(2010年~)だ。1997~2002年にはサムスン経済研究所で北朝鮮研究チーム首席研究員として仕事をした。2004~2006年にはチョン・ドンヨン統一部長官の政策補佐官として6者協議の9・19共同声明採択と南北関係復元過程に直接関与したり、側面から支援する役割を果した。2008~2010年にはハンギョレ平和研究所長を務めた。2009年には第15回統一言論賞大賞を受賞した。