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移住労働者に「1時間内に食べて出ていけ」と言った焼肉バイキング店長…ヘイトの素顔

登録:2019-02-21 10:35 修正:2019-02-21 12:24
国家人権委「ヘイト・差別対応特別推進委員会」発足式を開き 
移住労働者・女性団体「ヘイト・差別を根絶してほしい」
20日、ヘイト・差別に対応するための国家人権委員会特別推進委員会の発足式および第1回全体会議で、チェ・ヨンエ人権委員長(前列右から3番目)と共同推進委員長に選出されたチョン・ガンジャ市民社会団体連帯会議共同代表をはじめとする委員らが記念撮影をしている//ハンギョレ新聞社

#1.

 24年前に韓国に来たミャンマー出身の人権活動家のソモトゥ氏(44)は、友人のAさんが韓国から追放されなければならなかった経験について語りながら憤った。農畜産業で働けるという話に喜んで韓国へ来たAさんが従事したのは、豚の屠畜業だった。殺生がタブーである仏教国家のミャンマーから来たAさんは、毎日ひどく苦しんで働くしかなかった。結局、仕事は続けられず逃げ出し、未登録滞在者の身分になった。Aさんは最近出入国法違反で韓国から追放された。このように、事業主の許可なしで事業場を離脱する移住労働者を未登録滞在者、いわゆる「不法滞在者」へと追いやる雇用許可制が移住労働者に対する差別だと、ソモトゥ氏は主張した。

 劣悪な労働環境は、移住労働者が経験するもう一つの人権侵害だ。ソモトゥ氏は「移住労働者は冷暖房が効かず雨漏りのするビニールハウスやコンテナで生活する。女性労働者は施錠装置のない宿所で生活し、性暴力の危険に常にさらされている」と話し、「トイレがなく、田畑で用を足す移住労働者も多い」と声を上げた。こうした劣悪な場所で生活しながらも、労働部の「外国人勤労者の宿泊情報提供および費用徴収に関する業務指針」のために、移住労働者は給与の一部を宿食費の名目で取られるという。

 このほかにも「外国人だから売らない」とし「出て行け」と言ったコンビニの店長、「1時間以内に全部食べて出ていけ」と言った焼肉バイキング店のオーナー、韓国語ができないという理由で子ども扱いする公務員など、ソモトゥ氏が韓国で経験した移住者に対するヘイト(嫌悪)と差別は尽きなかった。

#2.

 1月30日、韓国サイバー性暴力対応センターは、特別な追悼祭を行った。違法・非同意の撮影物流布による被害で死に至った被害者を悼む「名前のない追悼祭」だった。被害者を追悼するオンライン追悼ページには、現在「私はあなたのポルノではない」「自分の住む家ですら不安を感じる女性たちの恐怖、もう終わらせなければ」「女性の人生が闘争ではない世界で生きたい」などといった追悼メッセージが続いている。韓国サイバー性暴力対応センターのキム・ヨジン事務局長は「私たちが知りたくてもわからない、存在していても呼ぶことのできないサイバー性暴力被害者が非常に多い」と話した。「違法撮影の被害事実を述べると同時にポルノサイトの検索語の順位に上がらなければならない」悲劇的な現実に、キム事務局長は憤った。

 サイバー性暴力でセンターに相談を求める被害者のうち、94%は女性だ。これらの人々は被害者になると同時に「乱れた女」という烙印を押される。これに対しキム事務局長は「家父長制の下で理想的な女性像を崇拝する現象が繰り返されている」と指摘した。キム事務局長は「バックラッシュ(backlash:反発・反撃)」を通じて女性ヘイトが加速している現象についても指摘した。キム事務局長は「最近は、女性ヘイト問題を解決しようとする進歩的な動きに対するバックラッシュとして女性ヘイトが現れている」と述べた。キム事務局長のようなフェミニストたちが、バックラッシュの攻撃にさらされているのが現実だということだ。

 国家人権委員会(人権委)は20日午前、ソウル中区の人権委事務室で「ヘイト・差別対応特別推進委員会(推進委)」の発足式を行った。チェ・ヨンエ委員長とチョン・ガンジャ市民社会団体連帯会議共同代表が共同で委員長を務め、ホン・ソンス淑明女子大学教授、パク・チャヌン漢陽大学教授、ペク・ミスン韓国女性団体連合常任代表など、学界・女性界・宗教界・性的マイノリティなど25人の委員が1年間推進委の活動を続ける予定だ。彼らは「ヘイトと差別を乗り越え、誰もが尊厳を受け共存する社会を作るための歩みを共にする」と述べ、「ヘイトの時代」との決別を宣言した。

 推進委はヘイト・差別問題に対する汎政府対応を引き出すことを目標とした。人権委ヘイト差別企画団長のカンムン・ミンソ氏は「2014年に首相主導で7つの中央省庁がヘイト表現反対政策宣言をした『ノルウェーモデル』を参考にしている」とし、「これを通じて関係省庁と協力し、ヘイト・差別問題を解決する具体的な実行計画を立てる」と明らかにした。また、推進委は「ヘイト発話者の深層調査、ヘイト・差別問題の公論化に向けた討論会、ヘイト・差別予防および自律規制ガイドラインの制作など、ヘイト・差別問題に対して効果的に対応するために、推進委内に分科会を構成し運営する計画」と付け加えた。

 発足式後に続いたヘイト・差別事例の発表を行った人々は「ヘイト・差別問題を根絶してほしい」と口をそろえた。ソモトゥ氏は「韓国に来て24年になるが、初めて来た時も、10年前も、座り込みの場でも毎回同じ話をしているが、改善がない」と言い、「推進委が私たちの声に耳を傾け、改善された社会を作ることを願う」と述べた。サイバー性暴力対応センターのキム・ヨジン事務局長は「女性ヘイトの加害者の行為を深層分析し、彼らを再社会化する方法を研究することに力を入れてほしい」と言い、「女性ヘイト問題が人権・基本権と直結した問題であることを多くの人々が認識できるようにしてほしい」と求めた。

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/882890.html韓国語原文入力:2019-02-20 21:44
訳M.C

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