李洛淵(イ・ナギョン)首相は13日、額賀福四郎・日韓議員連盟会長に会い、日本が韓国最高裁(大法院)の日帝強制徴用損害賠償判決に反発していることに対して「裁判に応じておきながら、負けたからと判決を受容できないというのは話にならない」と明らかにした。
李首相はこの日、ソウル三清洞(サムチョンドン)の首相公館で額賀会長と韓日議員連盟会長のカン・チャンイル共に民主党議員と朝食会をし、「韓国最高裁(大法院)の日帝強制徴用損害賠償判決を尊重する」としてこのように話したとカン議員が伝えた。最高裁は昨年11月、日帝強制占領期間に強制徴用された被害者が日本の三菱重工業を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、三菱の責任を認めた。
李首相のこの日の発言は、額賀会長が「両国のすべての請求権問題は最終的に解決されるということを確認する」という字句の入った1965年「韓日請求権・経済協力に関する協定」(韓日請求権協定)に言及して「(当時の)国家対国家の約束なので、守らざるをえないのではないか」と話したことに伴うものだ。李首相は「協定文のどこにも企業に対する個人の請求権問題は言及されていない」という点を明確にしたという。
李首相はまた「今回の事案は、ヤン・スンテ元最高裁長官の司法壟断事件とも絡まっている複雑な事案」と言及したという。2013年1月当時、三菱重工業の顧問だった武藤正敏元駐韓日本大使と朴槿恵(パク・クネ)大統領当選者引継委員だったユン・ビョンセ元外交部長官が会い、三菱の賠償責任を認めた2012年5月の最高裁判決に対する対応方案を協議し、その後“ヤン・スンテ最高裁”が強制徴用判決を覆す裁判介入過程にユン元長官がかかわった疑惑などを説明したということだ。ユン元長官は、外交部長官に任命される以前の2012年、三菱と新日鉄住金(旧新日本製鉄)など日本戦犯企業を代理した「キム&チャン法律事務所」の顧問として在職し「強制徴用裁判対応タスクフォース(TF)」に参加もした。李首相はこれと関連して「日本がキム&チャンまで押し立てて裁判に臨まれた以上、結果を受け入れるべきで、負けたからと受け入れられないというのはつじつまが合わない」と話したとカン議員が伝えた。
この席で額賀会長は、「韓日強制徴用判決をめぐる論議を終わらせるために、国連国際司法裁判所(ICJ)で解決しなければならないのではないか」という意見も提示したという。これに対して李首相は「国家間の問題ではなく、個人と企業間の問題なのに、どうして国際司法裁判所で扱うというのか」と話した。
今回の朝食会は、最高裁の日帝強制徴用判決以後、日本政府が反発して韓日関係が梗塞し、これを解消する方案を共に探してみようとの趣旨で代表的な知韓派議員の額賀会長が訪韓して実現した。カン議員は「3・1運動100周年と(2回目の)朝米首脳会談などの懸案が多いだけに、当分は両国が冷却期間を持って解決法を模索しようという話を交わした」と話した。この席では、6月に韓日首脳が参加する主要20カ国・地域(G20)会談が日本の大阪で開かれるだけに、それ以前までに水面下で両国の関係回復努力がなされなければならないという意見も出てきたという。