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トランプ大統領「今月末には習主席に会わない」…"グランド・ディール”実現ならず

登録:2019-02-09 06:35 修正:2021-07-05 08:17
27~28日の朝米首脳会談に次ぐ米中首脳会談は実現ならず 
知的財産権・強制的技術移転など貿易紛争で対立 
ホワイトハウス「合意に至るまではかなりの距離がある」 
米高官「トランプ大統領、3月1日の交渉期限を延長する可能性も」
ドナルド・トランプ米大統領が今月7日、ホワイトハウスの執務室で「世界の女性の発展と繁栄」と題した大統領覚書に署名した後、記者団の質問を受けている=ワシントン/AP聯合ニュース

 トランプ米大統領が、中国の習近平国家主席に今月中に会わないと述べた。朝米首脳会談の日程(27~28日)が決まった今月末に習主席と会談する計画を明らかにし、米中貿易交渉の妥結だけでなく、中国も参加する終戦宣言などの「グランド・ディール」が期待されたが、実現が難しくなった。

 トランプ大統領は7日(現地時間)、ホワイトハウスで「中国との交渉デッドラインの前に習主席と会う予定か」という記者団の質問に対し、「会わない」と答えたと、ロイター通信が報道した。彼は「来月ごろには会うか」という質問にも「まだそれはない、恐らく」と答えた。米政府高官も今月末、米中首脳会談の実現可能性は「非常に低い」と述べたと、米メディアが伝えた。

 トランプ大統領の発言は、数日間で内容がかわった。彼は先月31日、ホワイトハウスで劉鶴中国副首相と会談した後、「習主席と会う時、すべての事項が合意されるだろう」とし、米中と朝米首脳会談の日程を連携することもあり得ると述べた。5日の一般教書演説の直前にも、放送局のアンカーらに、今月末習主席と会う予定だと述べた。香港の「サウスチャイナ・モーニングポスト」が「27~28日、ベトナムで米中首脳会談を行う案が検討されている」と報道したことと相まって、トランプ大統領がベトナムで金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長と首脳会談を行う際、習主席にも会うものと見られていた。朝米中首脳が集まり、北朝鮮核問題の解決に大きな進展を果たし、米中貿易戦争も終わらせる大型イベントが開かれるのではないかという見通しだった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領まで参加し、南北米中4者が参加する朝鮮戦争終戦宣言が実現するという推測もあった。

 しかし、トランプ大統領が今月末には習主席に会わないと明らかにしたことで、4者終戦宣言の可能性が低くなり、3月1日が“休戦”満了日の米中貿易戦争の完全な解決の可能性にも赤信号が灯った。休戦満了日前に米中首脳が会う可能性がないというニュースに、ニューヨーク証券市場の代表的指数はいずれも同日0.8~0.9%台に下落した。

 米中首脳は昨年12月1日の首脳会談で、米国が中国商品2000億ドル分の追加関税賦課(10%→25%)を猶予し、3月1日まで90日間交渉することで合意した。米国は交渉がうまくいかなければ、3月2日0時1分から「高率関税を課す」と明らかにした。

 トランプ大統領が前言を翻したのは、貿易交渉をめぐる意見の隔たりが大きいためと見られる。中国は米国商品を大量購入し、貿易不均衡を解消する意思を表明したが、米国が中国に要求する知的財産権の保護強化や強制的技術移転の禁止、国家補助金の支給禁止など、構造的な問題に対して隔たりを埋められなかったという。ホワイトハウスのラリー・クドロー国家経済会議委員長は「FOXビジネス」とのインタビューで、「合意に至るまでは相当な距離がある」と述べた。先月末のワシントン交渉に続き、来週初めには米国代表団が中国を訪問して交渉を続ける予定だ。

 ニューヨークタイムズは米政府高官の話を引用し、今月末までに貿易交渉が妥結しなければ、トランプ大統領が期限を延長する可能性もあると述べたと報じた。同高官は、トランプ大統領と習主席が電話やテレビ会議を通じて妥結を試みる方法もあると話した。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/881352.html韓国語原文入力:2019-02-08 19:25
訳H.J

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