ホワイトハウスのジョン・ボルトン国家安保補佐官が25日(現地時間)、「我々が北朝鮮に望むのは、核兵器を放棄する戦略的決断に対する意味あるシグナル」だと述べた。朝米がワシントンとスウェーデンで相次いで実務協議を行った後、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長とドナルド・トランプ米大統領の2回目の会談に対する期待が高まっている中で出た発言であり、注目を集めている。
ボルトン補佐官は最近「ワシントンタイムズ」とのインタビューで、このように述べ、「我々がその非核化を手に入れてからこそ、大統領が制裁解除を始めることができる」と強調した。トランプ大統領が「北朝鮮との非核化協議でかなりの進展が見られた」と述べたことについて、ボルトン補佐官に具体的な進展事項を問う質問に対する答えだった。ボルトン補佐官は、トランプ大統領が北朝鮮の核・ミサイル実験中断の事実を繰り返し言及したと前提したうえで、「核兵器を放棄する戦略的決断に対する意味あるシグナル」が必要だと強調したのだ。トランプ大統領だけでなく、マイク・ポンペオ国務長官が最近の朝米協議について「進展があった」というメッセージを出したのとは、微妙に異なる立場だ。
しばらくの間、北朝鮮・北朝鮮核問題関連の発言を控えていたボルトン補佐官が、50日ぶりに再び「核兵器の放棄」に言及した背景に関心が集まるのも、そのためだ。トランプ政府内の代表的な対北朝鮮強硬派で、「北朝鮮が先に核を放棄すべき」と主張してきたボルトン補佐官も、1回目の朝米首脳会談後の昨年8月以降は関連する言及を公開席上では控えてきた。その代わり「核プログラムの放棄」などの言葉を使った。
外交関係者らは、トランプ政権の代表的な対北朝鮮強硬派であるボルトン補佐官が最近の朝米交渉の現況に対する疑問を呈したものと見ている。最近、朝米が高官級会談と実務協議を行ったものの、“内容的な側面”においてはこれといった進展がなかったと伝えられる中、2回目の首脳会談が推進されることに対する牽制球を投じたという分析だ。双方が北朝鮮の核物質生産の中断・申告の見返りに人道支援の再開や平壌(ピョンヤン)連絡事務所の設置および部分的制裁緩和に合意する可能性が高まっていることに対し、ブレーキをかける格好だ。ある消息筋は「米国の政界では(初期段階の措置だとしても核の)凍結だけでは不十分という認識が強い。(米国も)国内世論を説得できる“セールスポイント”を求めて、(北朝鮮を)圧迫したものと見られる」と話した。朝米が2回目の首脳会談を開くとみられる2月末まで、双方が埋められずにいる隔たりをめぐる攻防は続く見通しだ。