「日本政府は反省しなければならない。そんなに非良心的であってはならない。過去の過ちを反省し、許しを請うべきだ。そのままやり過ごしてはならない」
日本の戦犯企業「不二越」に強制動員され、日本現地で強制労働を強いられたイ・チュンミョンさん(87)は23日、「企業に『金を出すな』という日本政府に言いたいことがあるか」という日本取材陣の質問に、このように答えた。イさんは「韓国政府も、日本が勤労挺身隊被害者に何をしたかを徹底的に調査すべきだ」と述べた。
同日、ソウル中央地裁民事控訴11部(パク・ミリ裁判長)は、イ氏が不二越を相手取って起こした損害賠償請求訴訟の控訴審で、1審同様、不二越に1億ウォン(約970万円)の賠償を命じた。これに先立ち、イさんは2015年5月、強制労働など反人道的違法行為で受けた精神的、肉体的、経済的被害の補償を求め、訴訟を起こした。2017年3月、1審で一部賠償判決を言い渡されたが、その後、控訴審はなかなか進まなかった。昨年10月、最高裁が日帝強制占領期(日本の植民地時代)の強制労働被害者に対する賠償判決を確定してから、裁判にも拍車がかかった。
車椅子に乗って法廷に入ったイさんは控訴審判決後、取材陣に「日本に行けば、中学校や大学まで勉強できるという日本人校長の言葉にだまされ、勤労挺身隊に志願した」とし、「不二越の工場で1日10~12時間も労働を強いられた。お腹がすいて死んだ子もいれば、お母さん、お父さんを呼びながら気落ちして死んだ子もいた」と当時の辛い記憶を語った。不二越側は判決を不服として上告する方針だという。