文在寅(ムン・ジェイン)政府が初めて出した国防白書で「北朝鮮政権と北朝鮮軍は私たちの敵」という表現が削除された。南北間軍事的信頼構築および実質的軍備統制推進、段階的軍縮を説明する部分は新たに強調された。国防部は15日、このような内容を盛り込んだ「2018国防白書」を公開した。
国防白書は「わが軍は大韓民国の主権、国土、国民、財産を威嚇し侵害する勢力を私たちの敵と見なす」と明記した。朴槿恵(パク・クネ)政府が出した「2016国防白書」で、北朝鮮の核とミサイル脅威に言及し「こうした脅威が続く限り、その実行主体である北朝鮮政権と北朝鮮軍は私たちの敵」と表現した文章は消えた。
国防白書で北朝鮮を敵と明示しなかったのは、昨年の南北関係進展と軍事的緊張緩和を反映したためと見える。国防白書は「南と北は軍事的対立と和解・協力の関係を繰り返してきたが、2018年3回の南北首脳会談と初の朝米首脳会談が実現し、朝鮮半島の非核化と平和定着のための新しい安保環境を作った」と背景を説明した。
国防白書は「北朝鮮の大量殺傷兵器は、朝鮮半島の平和と安定に対する脅威」と明示した。北朝鮮の核能力と関連しては「核兵器を作ることができるプルトニウムを50キロ余り保有していると推定され、高濃縮ウラニウム(HEU)も相当量保有していると評価される。核兵器の小型化能力も相当な水準に達したと見られる」と分析した。
今回の国防白書には「南北間の軍事的信頼構築および軍備統制の推進で、平和定着の土台構築」という部分が新たに追加された。国防白書は「北朝鮮核問題解決と朝鮮半島の恒久的平和定着条件を作るため、南北間の軍事的緊張の緩和と信頼構築措置を推進する」とし「南北間交流協力事業の進展と連係して、安定した軍事的保障措置を推進し、非核化と平和体制構築の進展により実質的な軍備統制方案を模索する」と明らかにした。「朝鮮半島平和体制の構築過程に合わせて、南北間の実質的軍事的信頼構築により段階的に軍縮問題を協議する予定」という内容も入った。