韓国最高裁(大法院)の日帝強制占領期間強制徴用被害者賠償判決の後、24日に初めて韓国・日本の政府当局者が会い協議を進めたが、立場の差を狭められなかった。強制徴用被害者側は、新日鉄住金の韓国内資産に対する強制執行手続き(差押え)に入る意向を明らかにしながらも、新日鉄住金が早く協議に臨むことを求めた。
キム・ヨンギル外交部東北アジア局長と金杉憲治・日本外務省アジア大洋州局長はこの日午後、ソウル市都染洞(トリョムドン)の外交部庁舎で1時間30分にわたり局長級協議を開き、強制徴用賠償判決をはじめとする韓日関係の主要懸案を議論した。
協議が終わった後、キム・ヨンギル東北アジア局長は「強制徴用判決問題と関連して、両国政府が各自の立場を説明し、この問題が韓日関係に及ぼす影響を最小化し問題を解決するために外交当局間で緊密に疎通することにした」と明らかにした。日本側は、1965年の韓日請求権協定で強制徴用賠償問題は解決済みという既存の立場を今回の会議で再び伝えたとNHK放送が伝えた。金杉局長はこの日「韓国政府にできるだけはやく対応策を出すことが重要だと要求している」として「今は韓国政府が(対応策を)検討中なので、これを見守りたい」と話した。
ヤン・ギホ聖公会大学教授は「日本側は、日本企業の資産に対する差押えの可能性を憂慮して、韓国政府が早く対応策を出すよう催促する意味でこの日の協議を提案したと見られる」として「日本は韓国政府が日本企業に代わって被害者に賠償すべきと主張しているが、それは不可能な要求」と指摘した。
強制徴用被害者弁護団はこの日、立場文を出して「12月4日、新日鉄住金に24日午後5時までに損害賠償に関する協議に臨むことを要求したが、新日鉄住金は現在まで協議の意思を明らかにしておらず、まもなく韓国内の新日鉄住金資産に対する差押えの執行手続きに入る予定」と明らかにした。ただし「韓日当局者間協議が進行中のため、外交的交渉状況も考慮して執行日時を決定」するとし、「新日鉄住金との協議を通した問題解決を望む」と明らかにした。この日の両国協議で「日本政府は差押えが行われた場合の立場を明らかにしたか」という質問に、韓国外交部の当局者は「種々の懸案について十分に意見を交わした」と答えた。
この日の局長級協議では、韓国海軍が20日に東海(トンヘ)上を飛行した日本海上自衛隊の哨戒機にレーダーを照射したことに関する議論も進行され、両国間に認識差があると伝えられた。キム・ヨンギル局長は「韓国国防部関係者と日本大使館の国防関係官が参加した中で、外交当局間で協議をし、双方がお互いの立場を詳細に説明した」と明らかにした。外交部当局者は「われわれ側は、日本が事実関係に対する明確な確認をせずに日本側の主張をマスコミに公開したことに対して強い遺憾を表明した」と話した。金杉局長もこの日、韓国の駆逐艦のレーダーが日本の哨戒機へ向けられた問題について「改めて遺憾を表明し再発防止を強く要請した」と明らかにした。