韓国海軍艦艇の北朝鮮船舶救助過程で、日本の哨戒機がレーダー追跡範囲に入って来たことを日本政府が外交争点化している。韓国政府は意図的な過剰対応と見ている。
時事通信は、金杉憲治・日本外務省アジア大洋州局長が24日、ソウルで開かれる韓日局長級外交当局者会議で今回の問題について抗議する予定だと報道した。金杉局長は23日に出国し「そういった点(レーダー問題)も含めて意思疎通をしたい」と明らかにした。
これに先立つ20日午後、独島(日本名・竹島)北東側100キロメートルの公海上で北朝鮮船舶が漂流しているという情報により捜索に出た韓国海軍の駆逐艦「広開土大王艦」射撃統制用レーダーの追跡範囲に日本の哨戒機P1が入ってきた。日本は21日午後、岩屋毅防衛相が緊急記者会見を行い「きわめて危険な行為」、「事態の重大さ」などの表現で抗議した。射撃統制用レーダーの使用は「実際に火器を使用する前にする行為」と話した。
韓国軍は、救助のためにすべてのレーダーを使っただけだと明らかにした。海軍は漂流する北朝鮮の船舶1隻を発見し、船員3人を救助し遺体1体を収拾した。
しかし、日本防衛省は22日になって再び資料を出し「火器管制レーダーは攻撃目標に対する精密な防衛と距離を測定するために使う。広範囲な捜索には適しておらず、遭難船舶を救助するには水上捜索用のレーダー使用が適当だ」と主張した。匿名の自衛隊関係者は「有事の際、米軍であれば攻撃に出ただろう」と読売新聞に話した。
度重なる日本側の主張に海軍関係者は「気象が良くない時や緊急状況では、火器管制用で捜索することもある」として「わが国の駆逐艦は日本の哨戒機と関係なく捜索のためにレーダーを稼動し続けていた」と説明した。彼は、日本の防衛省が「(哨戒機に向かって)火器管制レーダーを照射した」と主張したことにも反論した。射撃統制システムのうち、広範囲な探索をする3次元レーダー(MW08)を稼動しただけで、射撃のために標的にビームを撃ち距離を計算する追跡レーダー(STIR)は作動させていないとのことだ。
韓国軍が故意に狙ったものではないと説明し、実際に北朝鮮船舶を救助したのに日本側がこれを争点化するのは、最近の韓日関係のためと見られる。韓国最高裁(大法院)の強制徴用賠償判決に反発する日本が“レーダー事件”をカードとして活用しようとする意図が伺える。24日の韓日局長級外交当局者会議は、判決後に初めて開かれるものだ。韓国海軍関係者は「わが軍の活動を萎縮させようとする意図とも見える」と話した。
日本でも田母神俊雄・元自衛隊航空幕僚長(韓国の空軍参謀総長に該当)がツイッターを通じて「ミサイルが発射されるには艦艇内の複数部署で同時に安全装置を外す必要がある。だから火器管制レーダーの電波照射が即危険だということにはならない」と述べた。彼は「今回ぐらいのことは世界中の軍が日常的にやっている」として、日本側の過剰対応の可能性を指摘した。