「長時間・低賃金・危険な労働環境、政府は移住労働者の権利を保障せよ」
気温が氷点下に下がった18日午後、国連が定めた「国際移住労働者デー」を迎え、約60人の移住労働者が広場に出てきた。国連は1990年、「すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約」を採択し、12月18日を「国際移住労働者デー」として記念してきた。移住労働者労働組合と移住共同行動などは同日、ソウル鍾路区の世宗文化会館の階段で、「国際移住労働者デー全国共同行動」を開き、「韓国社会は移住労働者を『外国人労働者』や『不法滞在者』と呼び、法的枠組みに閉じ込め、社会構成員として認めていない」とし、「移住労働者も同じ人間であり、労働者だ。移住労働者にも社会構成員として正当な権利を保障すべきだ」と叫んだ。
同日集まった移住労働者は、休息する権利▽事業場を移る権利▽安全に働く権利など、基本的な権利も保障されていないと口をそろえた。移住労組のウダヤ・ライ委員長は、「休みたくても仕事をしなければならない。月100万ウォン(約10万円)ももらえず、作業場も変更できない。これが強制労働でなければ何と言うのか」とし、「老朽化した機械は毎度故障し、移住労働者たちにとって労災は障害と傷を残す。命を失う労働者も多い」と証言した。現行の外国人雇用許可制は、事業主の許可なく移住労働者が事業所を変更できなくなっているが、このため、移住労働者たちは不当な処遇を受けても、事業所を変えるのが難しい。ライ委員長は「法と制度は時間が経てば良い方向に改正されるのが常識だが、移住労働者(の処遇)は日増しに悪くなっている」とし、「移住労働者が韓国に来てから30年近くなった。政府は移住労働者の当然の権利を認めなければならない」と主張した。
低賃金・長時間労働の問題に対する指摘もあった。ある移住労働者は「明け方4時半から働き始め、午前10時にご飯を食べてから、夕方7時まで働かなければならない」とし、「残業も(給料に)反映されず、給料日が近づくと事業主がいろいろと言ってくるからつらい。乱暴な物言いをする場合もある」と証言した。エジプト出身の難民申請者である移住労働者は直接書いた文で、「難民申請者は危険で長い労働時間を余儀なくされるところで働くため、韓国語を勉強する時間さえない。健康保険もなく、非人間的な環境で、低賃金労働に追い込まれている」とし、「食文化も韓国と違うが、大半の工場は移住民のための食べ物を提供できないため、多くの労働者の栄養状態が悪い」と明らかにした。
同日の会見では、未登録移住労働者の強制取り締まりによる死亡事件と、高陽(コヤン)の貯油所の火災で移住労働者に責任を転嫁したことを皮肉る声もあがった。チョン・ヨンソプ移住共同行動執行委員は「今年8月、京畿道金浦（キンポ）の建設現場で、(取り締まりから逃れようとして)死亡したタンジャテイ氏の場合、法務部が食堂を急襲し労働者が死亡したにもかかわらず、法務部などはまだ責任を取っていない」と指摘した。ミャンマーから来た25歳の移住労働者のタンジャテイ氏は今年8月、金浦の建設現場で昼食を取っている途中、突然押しかけた取締まりから逃れようとして、8メートル下の地下に墜落し、死亡した。チョン執行委員は「取り締まりと追放中心の政策で未登録移住者問題を解決できないというのは、この数十年間ですでに証明された」とし、「文在寅政権が取り締まり追放政策、雇用許可制を解決できない以上、人権を掲げるのは羞恥であることを知るべきだ」と批判した。さらに、「高陽貯油所の火災も、風灯によって爆発につながるのは宝くじに2回当選するくらいの確率という専門家の意見があったにもかかわらず、警察は社会的弱者である移住労働者に犯罪の責任を問うた。その過程で、移住労働者の身元を明かすなど、基本的な原則も守らなかった」と付け加えた。
移住共同行動は「外国語の実力を伸ばしながらお金も稼ぐためにワーキングホリデーに行く青年も、ヘル朝鮮（地獄のような韓国社会という意味）から脱出し、異国でより良い生活を夢見る移民者も移住労働者」だとし、「移住労働者は滞在資格に関係なく、個人としての権利を保護してもらわなければならない」という主張で会見を締めくくった。
訳H.J
