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「移住労働者への最低賃金差別適用は人種差別」

登録:2018-08-23 22:24 修正:2018-08-24 08:08
経済界の一部、最低賃金減額を試みると 
移住労組、中小企業中央会訪ね抗議会見
移住労組と民主労総が23日午前、ソウル市永登浦区の中小企業中央会前で「移住労働者最低賃金差別修習制糾弾記者会見」を開き、外国人労働者への最低賃金差別適用および削減を要求する中小企業中央会を糾弾している=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 「移住労働者なしには一日も回らない中小企業が、移住労働者の賃金を削るべきだという厚かましい主張をしています。人は必要だが、月給はまともに払わないという話です」

 23日午前、ウダヤ・ライ移住労働者労働組合委員長は、ソウル市永登浦区(ヨンドンポグ)の中小企業中央会前で記者会見を行い、中小企業中央会の移住労働者への最低賃金差別適用の主張は「明白な人種差別」と批判した。経済界と保守政党を中心に、移住労働者に対する最低賃金の差別適用が必要だという主張が出てきて、移住労組と民主労総がこれに抗議する記者会見を行ったのだ。この日、記者会見参加者は中小企業中央会に抗議書簡を手渡そうとしたが、警察と建物の管理人に阻まれ、建物の入口で20分間にわたり押し問答を行った。

 移住労働者への最低賃金差別適用の主張が本格的に提起されたのは、最低賃金論議がふくらんでからだ。これに先立って、中小企業中央会は先月16日、ホン・ジョンハク中小ベンチャー企業部長官と懇談会を開き、移住労働者は修習期間を別途設けて、最低賃金を最大80%まで減額できるようにしてほしいと建議した。昨年9月に最低賃金法が改正され、単純業務であれば修習期間であっても最低賃金を100%支給するべきだが、単純業務を遂行する移住労働者には再び減額適用を許容してほしいという主張だ。この提案を受けたホン長官は、「積極的に検討してみる」と答えた。

 国会も同様だった。中小企業中央会は先月30日、国会環境労働委員会を訪問し同じ内容を建議した。キム・ハゴン環境労働委員長(自由韓国党)は、中小企業中央会の嘆願に理解を示し、最低賃金法改正案を10日に発議した。この改正案には、移住労働者が単純業務を遂行したり修習を始めた日から2年以内ならば、最低賃金を別途決められるようにする内容が盛り込まれた。一方、昨年12月に統計庁が発表した「2017年移民者滞留実態および雇用調査結果」によれば、韓国に滞留中の外国人のうち、20.9%が非専門就職ビザを有していて、彼らのうち韓国滞留期間が3年未満の比率は48.4%に達する。

 移住労組は、中小企業中央会のこのような試みが違法であるだけでなく、人種差別だとし対抗している。労働基準法6条は、国籍、信仰、または社会的身分を理由とする労働条件差別を禁止しているためだ。韓国が1998年12月に批准した国際労働機構(ILO)条約第111条「雇用および職業における差別待遇に関する協約」も、国籍により賃金を差別できないよう規定している。ポン・ヘヨン民主労総副委員長は「労働基準法にも反する最低賃金改悪の試みが、最低賃金労働者の中でも最も脆弱な移住労働者を対象に始まったという事実が驚くべきだ」と批判した。ナ・ヒョンピル国際民主連帯事務局長は「生産性が低いという口実で、移住労働者への最低賃金差別適用が始まれば、これは次第に韓国人にも広がる。私たち全員の問題」と強調した。

 移住労組は、中小企業中央会に抗議書簡を手渡そうとしたが、警察と中小企業中央会関係者に阻まれて20分間にわたり建物に入れなかった。その後、ムン・チョルホン中小企業中央会外部人材支援部長が建物ロビーに出てきたが「書簡は内部検討の後に処理する」という立場を繰り返し、ポン・ヘヨン民主労総副委員長は「抗議書簡を手渡す意味がない」として書簡を破ってしまった。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/858913.html韓国語原文入力:2018-08-23 19:48
訳J.S

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